2019年11月11日から12日にかけて(日本時間)、水星が太陽の手前を横切る「太陽面通過(日面通過とも)」が起こります。残念ながら日本からは見られませんが、NASAなどでは最新画像の即時配信が予定されています。

太陽面通過する水星のアニメーション。「SDO」撮影の画像から作成したもの(Credit: NASA)

■アメリカなどでは観察も可能、トータル5時間半の長時間イベント

太陽面通過とは「見かけ上、何らかの天体が太陽の手前を通過する様子が観測される」現象です。観測する人と太陽の間にある天体でしか起きない現象(※)であるため、地球からは水星金星による太陽面通過が観測されます。

今夜発生するのは、水星による太陽面通過です。通過が始まるのは日本時間2019年11月11日21時35分で、翌12日3時4分に終了します。地球から見た太陽と水星の見かけの直径は283倍も違うので、水星の小さな黒い影が5時間半ほどかけて太陽の手前をゆっくり移動していくことになります。

※…たとえば地球の外側を公転する火星では、水星、金星に加えて地球による太陽面通過も観測できる

移動する水星の様子を示した合成画像。2016年5月の太陽面通過を撮影した「SDO」の画像から作成したもの(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/SDO/Genna Duberstein)

日本では完全にの時間帯なので見られませんが、世界では南北アメリカ大陸をはじめ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、ニュージーランドなどの地域で今年の太陽面通過が観測可能です。

NASAでは太陽観測衛星「ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)」による最新画像を日本時間11日21時から特設サイト(https://mercurytransit.gsfc.nasa.gov/2019/)にて順次公開する予定となっている他に、アメリカ国立太陽天文台(NSO)では南米のセロ・トロロ汎米天文台にて撮影した太陽の最新画像を公式ウェブサイト(https://www.nso.edu/)にて1分間隔で更新・掲載しています。

ちなみに、宇宙望遠鏡「ケプラー」系外惑星探査衛星「TESS」では、太陽面通過のように恒星の手前を天体が横切ったときのわずかな明るさの変化を捉えることで、太陽系外惑星を見つける手法(トランジット法)が利用されています。

月による皆既日食のようにドラマチックな変化がみられる現象ではありませんが、毎年地球のどこかで見られる日食とは違い、次は13年後の2032年まで起こらないレアな天文現象である水星の太陽面通過。おやすみの前に中継でご覧になってみませんか?

 

Image: NASA’s Goddard Space Flight Center/SDO/Genna Duberstein
https://blogs.nasa.gov/Watch_the_Skies/2019/11/07/a-transit-of-mercury-happens-nov-11/
https://mercurytransit.gsfc.nasa.gov/2019/
https://www.nso.edu/
文/松村武宏