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孤独な銀河の淡い輝き ハッブル宇宙望遠鏡が観測した“うお座”のボイド銀河

こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した銀河「MCG+01-02-015」。

うお座の方向、約3億4000万光年先にあります。

明るい中心部分を取り囲む渦巻腕(渦状腕)がきつく巻かれた、端整な姿をしています。

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した銀河「MCG+01-02-015」(Credit: ESA/Hubble & NASA and N. Grogin (STScI); Acknowledgement: Judy Schmidt - https://esahubble.org/images/potw1545a/)
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した銀河「MCG+01-02-015」(Credit: ESA/Hubble & NASA and N. Grogin (STScI); Acknowledgement: Judy Schmidt - https://esahubble.org/images/potw1545a/)】

画像に向かってすぐ下にある1つを除いて、MCG+01-02-015の近くには他の銀河が見当たりません。

ESA=ヨーロッパ宇宙機関によると、実際にMCG+01-02-015は孤立して存在する孤独な銀河なのだといいます。

この宇宙では銀河は均等に分布しているのではなく、銀河群や銀河団のような集団を形成したり、銀河団がさらに連なったフィラメント状(ひも状)の構造を形成したりしています。

無数の銀河が作るフィラメント状構造は、まるで網のように絡み合いながら連なっています。網目にあたる部分はボイドと呼ばれていて、物質が希薄な泡状の構造になっています。フィラメント状構造とボイドが形作る巨大な構造は「宇宙の大規模構造」と呼ばれます。

ほとんどの銀河はフィラメント状構造に集まっているのですが、MCG+01-02-015は銀河がまれにしか存在しないボイドに位置しているのだといいます。こうした銀河は「ボイド銀河(void galaxy)」と呼ばれています。

もしも天の川銀河がボイド銀河だったとしたら、人類は1960年代になるまで他の銀河の存在を知らなかったかもしれない……と、ESAは解説しています。

冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータを使って作成されたもので、“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESAから2015年11月9日付で公開されました。

本記事は2021年6月23日公開の記事を再構成したものです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典