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こちらはアメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機「2001 Mars Odyssey(2001マーズ・オデッセイ)」に搭載されている熱放射撮像カメラ「THEMIS」で撮影されたパノラマ画像です。2023年5月9日に高度約400kmで撮影された10枚の画像を合成して作成されました。

【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機「2001 Mars Odyssey(2001マーズ・オデッセイ)」の熱放射撮像カメラ「THEMIS」で2023年5月9日に撮影された火星のパノラマ。10枚の画像を合成して作成(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)】
【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機「2001 Mars Odyssey(2001マーズ・オデッセイ)」の熱放射撮像カメラ「THEMIS」で2023年5月9日に撮影された火星のパノラマ。10枚の画像を合成して作成(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)】

クレーターが目立つ荒涼とした火星の大地の空高くに、水の氷粒でできた雲や塵が層を成して広がっている様子が捉えられています。THEMISの運用でリーダーを務めるアリゾナ州立大学のJonathon Hillさんは「もしも火星の周回軌道上に宇宙飛行士がいたら、こんな視点を持つでしょう」とコメントしています。なお、この画像は大気中の雲や塵が強調される赤外線の波長で取得したデータに着色して作成されているため、可視光線を捉える人の目で見た景色とは異なります。

NASAによれば、THEMISのように熱に対して敏感な赤外線カメラを使用すると、火星表面の氷・岩・砂・塵の分布や温度変化をマッピングしたり、大気中に氷や塵がどれくらい存在するのかを測定したりすることができます。結果として公開されたこの画像だけを見るとなかなか実感が湧かないかもしれませんが、2023年10月で火星到着22周年を迎えたOdyssey探査機による今回の観測は3か月かけて入念に準備されました。

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火星の大気モデルを改良するために今回計画された観測では、雲と塵の層の相互関係を知るために、より広い視野で大気を捉えることが求められました。必要な観測データを得るには“大気の断面”を見ることができる、つまり火星の地平線を捉えられる方向にTHEMISを向けなければなりません。

ところが、THEMISはOdyssey探査機の本体に固定されていて、通常は真下の方向を観測しています。そこで運用チームは、太陽光が「太陽電池には当たるが熱に弱い機器には当たらない」という条件を満たした上で、Odyssey探査機本体の向きを90度変更できる姿勢を検討して今回の観測に臨みました。

【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機「2001 Mars Odyssey(2001マーズ・オデッセイ)」の熱放射撮像カメラ「THEMIS」で撮影された火星の衛星フォボスの連続画像(Credit: NASA/JPL-Caltech)】
【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機「2001 Mars Odyssey(2001マーズ・オデッセイ)」の熱放射撮像カメラ「THEMIS」で撮影された火星の衛星フォボスの連続画像(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

また、今回の観測では火星の衛星フォボスの画像もあわせて取得されました。NASAによると、Odyssey探査機のTHEMISによるフォボスの観測は今回が7回目となります。今回は過去の観測時とは異なる角度と日照条件でフォボスを観測できたといい、新たな画像がフォボスの組成や物理的性質に関する知見をもたらしてくれると期待されています。

 

Source

  • NASA – NASA Orbiter Snaps Stunning Views of Mars Horizon
  • NASA/JPL – PIA26203: Odyssey’s THEMIS Views the Horizon of Mars

文/sorae編集部

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