全世界のロケット打ち上げ推移グラフ
このグラフは、1957年から2025年末までのロケット打ち上げ情報をまとめたものです。数値は「どの国の機関・企業が実施したか」ではなく、「どの国からロケットが打ち上げられたか」を基準としており、成功・失敗の両方を含んでいます。
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ロケット打ち上げ回数の歴史的な推移
世界初の人工衛星打ち上げは、1957年10月にソ連が実施した「スプートニク1号」にさかのぼります。これを皮切りに、米ソの宇宙開発競争、いわゆる「スペースレース」が本格化し、1960年代後半には年間の打ち上げ回数が急増しました。
冷戦期の1970年代から1980年代にかけては、ソ連が年間80〜100回規模の打ち上げを継続的に実施し、世界全体でも年間120回を超える水準が続きました。しかし、1991年のソ連崩壊を境にロシアの打ち上げ回数は大幅に減少し、世界全体の打ち上げ回数も年間60〜80回程度まで落ち込みました。
その後、2000年代から2010年代前半にかけては、年間70〜90回前後で推移する時期が続きましたが、2010年代後半から状況が一変します。SpaceXをはじめとする民間ロケット企業の台頭と、中国の宇宙開発の急速な拡大によって、打ち上げ回数は再び増加に転じました。
近年の急増と2024年・2025年の記録更新
2020年に年間114回だった世界の打ち上げ回数は、その後急速に増加しました。2024年には年間263回の軌道打ち上げ試行が記録され、これはおおむね34時間に1回のペースで、世界のどこかでロケットが打ち上げられていた計算になります。
さらに2025年は、前年を大幅に上回る329回の打ち上げが試みられ、そのうち321回が軌道到達に成功しました。前年比で約25%の増加となり、過去最多を更新しています。
国別の打ち上げ動向
近年の打ち上げ回数増加をけん引しているのは、アメリカと中国の2か国です。
アメリカは2025年に181回の打ち上げを実施しました。その大半をSpaceXが占めており、2025年にはSpaceX単独で170回の打ち上げを行っています。このうちFalcon 9は165回を数え、1社で中国全体の打ち上げ回数を大きく上回る規模となりました。
中国は2024年の68回から2025年には92回へと打ち上げ回数を伸ばし、大幅な増加を記録しました。政府主導のGuowang(国網)や、民間系のQianfan(千帆)といった大型通信衛星コンステレーション計画が、打ち上げ増加の背景にあります。
ヨーロッパは、Ariane 5の退役に加え、Vega-Cの長期停止などにより、一時的に打ち上げ能力が大きく低下する「ランチャーギャップ」に直面していました。しかし2025年にはAriane 6とVega-Cの運用が進み、欧州全体で年間8回の打ち上げ試行を記録し、2021年以来の高水準となりました。
日本はH3ロケットの運用が軌道に乗りつつある段階ですが、アメリカや中国と比べると打ち上げ回数は年間数回にとどまっているのが現状です。
打ち上げ増加の背景にある3つの要因
世界の打ち上げ回数がここまで急増している背景には、大きく分けて3つの要因があります。
1つ目は、衛星コンステレーションの構築です。SpaceXのStarlink、中国のGuowangやQianfanなど、数百機から数千機規模の衛星群を軌道上に構築するプロジェクトが同時進行しており、継続的な打ち上げ需要を生み出しています。2025年に打ち上げられた衛星は過去最多の4517機に達しました。
2つ目は、ロケットの再使用技術の進歩です。SpaceXのFalcon 9は第1段ブースターを繰り返し回収・再使用することで、打ち上げコストの低減と打ち上げ頻度の向上を両立しています。これが年間100回を超える高頻度打ち上げを支える大きな要因となっています。
3つ目は、商業打ち上げの拡大です。2025年の世界の打ち上げのうち、約7割が商業主体で実施され、打ち上げられた衛星の約87%が商業目的でした。かつては政府主導が中心だった宇宙利用が、いまや急速に民間主導へ移行していることがわかります。
グラフから読み取れること
1957年から現在にいたるまでのグラフを俯瞰すると、冷戦期の「国家主導の宇宙開発」、ソ連崩壊後の「停滞期」、そして2010年代後半からの「民間主導の爆発的成長」という3つのフェーズが読み取れます。
特に注目すべきなのは、直近5年間の伸びの急激さです。2020年から2025年にかけて、世界の年間打ち上げ回数は114回から329回へと大幅に増加しました。今後もStarlinkをはじめとする大型コンステレーション計画の継続に加え、StarshipやNew Glennといった次世代大型ロケットの本格運用が進めば、打ち上げ回数はさらに増加していく可能性があります。
製作・編集/sorae編集部


