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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

NASAの惑星探査機「ボイジャー1号(Voyager 1)」は、日本時間1977年9月5日21時56分01秒、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地(現在のケープカナベラル宇宙軍基地)第41発射施設から「タイタンIIIEセントール(Titan IIIE-Centaur)」ロケットで打ち上げられました。

2026年9月5日は、ボイジャー1号が地球を旅立ってから49周年にあたります。

NASAのジェット推進研究所(JPL)で宇宙環境試験中のボイジャー探査機。1977年4月27日撮影(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ NASAのジェット推進研究所(JPL)で宇宙環境試験中のボイジャー探査機。1977年4月27日撮影(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

2号より後に打ち上げられた1号

ボイジャー1号の打ち上げは、姉妹機「ボイジャー2号」が打ち上げられた1977年8月20日から16日後のことでした。NASAの当時の資料によると、2機の番号は打ち上げ順ではなく、木星と土星への到着順に付けられています。より速い軌道を通って両惑星へ先着する探査機がボイジャー1号、2番目に到着する探査機がボイジャー2号とされました。

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実際、打ち上げから3か月余りが経過した1977年12月15日、ボイジャー1号は2号を追い抜き、先に木星と土星へ到達しています。

※…ボイジャー計画は当初、「マリナー・ジュピター・サターン1977(Mariner Jupiter/Saturn 1977:MJS ’77)」と呼ばれていましたが、打ち上げ前の1977年3月7日、NASAによって「ボイジャー1号」「ボイジャー2号」へ改称されました。

日本時間1977年9月5日、タイタンIIIEセントールロケットで打ち上げられた惑星探査機「ボイジャー1号」(Credit: NASA/JPL-Caltech/KSC)
【▲ 日本時間1977年9月5日、タイタンIIIEセントールロケットで打ち上げられた惑星探査機「ボイジャー1号」(Credit: NASA/JPL-Caltech/KSC)】

ボイジャー1号は日本時間1979年3月5日21時05分、木星の雲頂から約28万kmまで接近しました。この観測で淡い環と衛星「テーベ」「メティス」を発見したほか、衛星イオでは地球以外の天体で初めて活動中の火山を確認しています。

続いて日本時間1980年11月13日8時46分には、土星の雲頂から約12万6000kmまで接近し、衛星「アトラス」「プロメテウス」「パンドラ」やG環を発見しました。

特に重視された観測対象が、土星最大の衛星「タイタン」です。カメラはオレンジ色のもやに覆われた姿を捉え、当時の解析では、大気は主に窒素で、メタンが約10%含まれると推定されました。複雑な炭化水素も存在するタイタンは、生命誕生前の化学反応を研究する上でも注目されています。

ボイジャー1号が撮影した土星の衛星タイタン。厚いもやが表面全体を覆っている(Credit: NASA/JPL)
【▲ ボイジャー1号が撮影した土星の衛星タイタン。厚いもやが表面全体を覆っている。画像には強調処理されたもの(Credit: NASA/JPL)】

ただし、タイタンへの接近を優先した軌道を選んだ結果、ボイジャー1号は土星の重力によって黄道面から北へ離れる進路へ入り、天王星と海王星へ向かうことはできませんでした。4つの巨大惑星すべてを巡るグランドツアーを実現したのは、後を追ったボイジャー2号です。

最後の60枚が残した1枚

ボイジャー1号によって撮影された「太陽系の家族写真」と、撮影時の位置関係を示した図。撮影は右端に見える海王星(Neptune)から始まり、合計60枚に及んだ(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ ボイジャー1号によって撮影された「太陽系の家族写真」と、撮影時の位置関係を示した図。撮影は右端に見える海王星(Neptune)から始まり、合計60枚に及んだ(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

1990年2月、太陽から約60億km離れていたボイジャー1号は、カメラを太陽系の内側へ向け、最後となる一連の画像を撮影しました。地球が撮影されたのは日本時間2月14日13時48分で、一連の撮影を終えた同日14時22分にはカメラの電源が切られています。撮影された60枚の画像から作られた「太陽系の家族写真」には、金星、地球、木星、土星、天王星、海王星の6惑星と太陽が写っています。

ボイジャー1号が撮影した「ペイル・ブルー・ドット」の30周年を記念した再処理画像(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ ボイジャー1号が撮影した「ペイル・ブルー・ドット」の30周年を記念した再処理画像(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

そのうち、1画素にも満たない小さな点として地球を捉えた画像が、ボイジャー計画の画像科学チームに参加していた天文学者カール・セーガンによって広く知られることになった「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot:淡く青い点)」です。

なお、ボイジャー1号と2号が撮影した画像は、合わせて約6万7000枚に達しています。

ボイジャー1号はいまどこに?

1990年1月1日、ボイジャー1号は太陽系の外縁部や星間空間を調べる「ボイジャー星間ミッション」へ移行しました。日本時間1998年2月18日7時10分頃には、太陽から約69.4天文単位の地点でNASAの惑星探査機「パイオニア10号」を追い抜き、人類が作った最も遠い物体となりました。

さらに、2012年8月には太陽風が作り出す領域「太陽圏」の境界を通過し、星間空間に到達した最初の探査機となっています。

日本時間2026年11月18日19時16分07秒には、地球からの距離が約259億kmに達する見込みです。これは光が24時間かけて進む距離、つまり「1光日」に相当し、ボイジャー1号は地球から1光日の距離に到達する人類初の人工物となります。

太陽系外縁部へ向かう5機の探査機と地球との距離。2026年9月4日21時30分時点で、最も遠いボイジャー1号までは光でも約23時間47分かかる(Credit: sorae編集部/Data: NASA JPL Horizons)
【▲ 太陽系外縁部へ向かう5機の探査機と地球との距離。2026年9月4日21時30分時点で、最も遠いボイジャー1号までは光でも約23時間47分かかる(Credit: sorae編集部/Data: NASA JPL Horizons)】

電力を絞り出して寿命を延ばす

約半世紀の飛行を支えているのは、プルトニウム238の崩壊熱を電力に変換する3基の放射性同位体熱電発電機です。供給できる電力は毎年約4Wずつ減少しており、NASAはヒーターや観測装置を段階的に停止してきました。NASAが運用状況を公表している10基の観測装置のうち、2026年9月時点で稼働しているのは、プラズマ波サブシステムと磁力計の2基です。

2026年2月下旬、姿勢変更の最中に電力が予想外に低下したため、NASAは同年4月、低エネルギー荷電粒子観測装置(LECP)による科学観測を停止する指令を送信しました。LECPは、ほぼ49年間にわたって観測を続けた装置です。

NASAは電力を確保するため、一部の機器を消費電力の少ない機器へ切り替える「ビッグバン」も進めています。日本時間2026年8月5日には、ボイジャー2号で作業に成功したことが発表されました。ボイジャー1号でも同じ作業を実施する計画で、成功すれば、停止したLECPを再び使用できる可能性があります。

打ち上げから49年を迎えた現在も、ボイジャー1号は地球との通信を維持しています。遠ざかり続ける探査機から届く磁場やプラズマ波の観測データは、太陽圏の外側に広がる星間空間の環境を、今も私たちに伝え続けています。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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