
(引用元:NASA)
こちらは、NASAの惑星探査機「ボイジャー2号(Voyager 2)」が1989年8月20日に撮影した海王星です。最接近の4日と20時間前、海王星から約710万km離れた地点で撮影された全体像で、中央付近に見える暗い楕円状の模様が、当時観測された巨大な嵐「大暗斑(Great Dark Spot)」です。

ボイジャー2号は1977年8月20日に打ち上げられ、1979年7月に木星、1981年8月には土星のフライバイ探査を実施。さらに、1986年1月には史上初となる天王星のフライバイ探査を行い、惑星探査における最後の目的地だった海王星には1989年8月25日に最接近しました。この日から2026年8月25日で37年になります。
当時、この話題は日本でも新聞やテレビで大きく取り上げられました。筆者も当時、テレビに映し出された青く美しい海王星に衝撃を受け、宇宙に興味を持つきっかけの一つになりました。同じように、この1枚をきっかけに宇宙へ関心を持った人は少なくないはずです。
海王星は濃い青色ではない
冒頭の画像は、多くの人が海王星と聞いて思い浮かべる姿ではないでしょうか。しかし、この画像は人間の目で見た色をそのまま再現したものではありません。ボイジャー2号が取得したデータをもとに、雲や帯状の構造を見やすくするため、色彩やコントラストを強調して作成された合成画像です。
公開当初は、こうした画像処理について説明する注釈が添えられていました。しかし、その後は注釈のない画像が広く使われるようになり、海王星は濃い青色、天王星は淡い青緑色の惑星だという印象が定着していきました。
こうしたイメージを改める研究成果が、2024年に発表されました。オックスフォード大学のパトリック・アーウィン(Patrick Irwin)氏らの研究チームは、ハッブル宇宙望遠鏡と超大型望遠鏡(VLT)の観測データをもとに、天王星と海王星を人間の目で見た場合に近い色を再現しました。
soraeでは、この研究成果を天王星と海王星の“真の色”として紹介しています。どちらも緑色を帯びた淡い青色で、海王星のほうがわずかに青みが強いことを除けば、よく似た色をしています。ボイジャー2号が撮影した2つの惑星の画像を比べると、天王星の画像は比較的実際の色に近く、海王星の画像ではより青みが強調されていたことがわかります。

なお、宇宙機関などが公開している宇宙画像には、天体の構造を見やすくするために色彩を強調した画像や、肉眼では見えない波長の観測データに色を割り当てた疑似カラー画像が多数あります。soraeでは今後も、宇宙画像の作成過程に注目し、実際の色との違いや画像処理の目的を分かりやすく紹介していきます。
文/sorae編集部
関連記事
- 「天王星」と「海王星」の “真の色” を確定 色から見る大気の詳細な情報
- 「ボイジャー2号」打ち上げから49年(1977年8月20日)
- 史上初!海王星の「暗斑」を地上から観測成功 予想外の「輝斑」も発見
- ついに捉えた! ウェッブ宇宙望遠鏡が海王星のオーロラを初めて観測
参考文献・出典
- NASA - 25 Years Ago, Voyager 2 Captures Images of Neptune
- NASA - 30 Years Ago: Voyager 2’s Historic Neptune Flyby
- NASA - Planetary Voyage
- University of Oxford - New images reveal what Neptune and Uranus really look like










