
(引用元:NASA)
今回ご紹介する画像は、太陽のまわりを公転する水星・金星・地球・火星の軌道とともに、潜在的に危険とされる小惑星の軌道が描かれたものです。
- Image Credit: NASA, JPL-Caltech
- NASA APOD - Orbits of Potentially Hazardous Asteroids

時折メディアで「地球に接近する小惑星」が話題になりますが、1年という短いスパンで地球に深刻な被害を及ぼす天体が実際に衝突する確率はきわめて低いと評価されています。
とはいえ、恐竜絶滅の原因と考えられている「チクシュルーブ衝突」など、地質時代の大量絶滅と小惑星衝突の関連性が複数指摘されてきました。そのため各国の研究機関は、生命に影響を与える可能性のある天体を早期に発見・カタログ化する「惑星防衛」活動を続けています。
現在までに発見された地球近傍小惑星(NEA)は3万8612個、直径140m以上のものは1万1324個に達します(2025年6月末時点)。
このうち地球軌道との最接近距離が0.05AU(約750万km)未満、かつ推定径140m以上という条件を満たす天体は「潜在的に危険な小惑星(PHA)」と分類され、2470個ほどが確認されています。
観測精度が高い今後100年間については、衝突が確実視されるPHAは存在しません。ただし全 PHAが見つかっているわけではなく、さらに100年以上先になると軌道予測誤差が急増するため、長期的な監視体制が不可欠です。
実証された「衝突回避」技術

NASA=アメリカ航空宇宙局はDART(Double Asteroid Redirection Test)探査機を2021年11月に打ち上げ、2022年9月26日に二重小惑星ディディモス系の衛星ディモルフォスに体当たりさせました。その結果、衛星の公転周期を33分短縮することに成功し、人類初の軌道変更実証となりました。

この成果を詳しく検証するため、ESA=欧州宇宙機関の探査機Heraが2024年10月に打ち上げられ、2026年末にディディモス系へ到着予定です。Heraはクレーター形状や内部構造を測定し、衝突による物理変化を定量化します。
ひとことコメント
とても小さな岩石や氷の破片は毎日のように地球の大気へ突入し、そのほとんどは燃え尽きているので危険はありません。ときには火球や流れ星となり、私たちに印象的な夜空を見せてくれます。こうした美しい光景と潜在的な危険は、まさに紙一重と言えるのかもしれません。
※本記事は、2021年9月に公開した内容に対し、2025年7月時点の最新情報を反映のうえ再構成したものです。
編集/sorae編集部
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