スペースX、ESAの二重小惑星探査機「Hera」を打ち上げ
【▲ 欧州宇宙機関(ESA)の二重小惑星探査ミッション「Hera」の探査機を搭載して打ち上げられたFalcon 9ロケット(Credit: ESA - S. Corvaja)】

アメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)は日本時間2024年10月7日に「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットの打ち上げを実施しました。搭載されていた欧州宇宙機関(ESA)の二重小惑星探査ミッション「Hera(ヘラ)」の無人探査機は惑星間遷移軌道に投入されたことがSpaceXから発表されています。

打ち上げに関する情報は以下の通りです。

■打ち上げ情報:Falcon 9(Hera)

ロケット:Falcon 9 Block 5
打ち上げ日時:日本時間2024年10月7日23時52分
発射場:ケープカナベラル宇宙軍基地(アメリカ)
ペイロード:Hera探査機

Heraはプラネタリーディフェンス(※)の一環として、小惑星「ディディモス(Didymos)」とその衛星「ディモルフォス(Dimorphos)」からなる二重小惑星を探査するミッションです。宇宙航空研究開発機構(JAXA)も観測機器のひとつ「熱赤外カメラ(TIRI)」の提供や科学研究を通じて参加しています。

※…深刻な被害をもたらす天体衝突を事前に予測し、将来的には小惑星などの軌道を変えて災害を未然に防ぐための取り組み。惑星防衛とも。

ディモルフォスは2022年9月にアメリカ航空宇宙局(NASA)が小惑星軌道変更ミッション「DART」で無人探査機を衝突させ、公転周期を衝突前の約5%に相当する約33分短縮することに成功しています。

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Hera探査機は搭載されいてる2機の超小型探査機とともにDART探査機衝突後のディモルフォスを観測します。衝突によって生じたクレーターの大きさや衝突後の小惑星の形状、正確な質量などを調べることで、地球に衝突するリスクのある小惑星の軌道を実際に変更できる技術の獲得につながることが期待されています。

ESAによると、Falcon 9ロケット2段目から分離したHera探査機は太陽電池パドルの展開に成功したことが確認されています。今後は2025年3月に火星でスイングバイ(※太陽を公転する惑星などの重力を利用して軌道を変更する方法)を行い、2026年秋にディディモスに到着する予定です。

■打ち上げ関連画像・映像

欧州宇宙機関(ESA)の二重小惑星探査ミッション「Hera」の探査機を搭載して打ち上げられたFalcon 9ロケット
【▲ 欧州宇宙機関(ESA)の二重小惑星探査ミッション「Hera」の探査機を搭載して打ち上げられたFalcon 9ロケット(Credit: ESA - S. Corvaja)】
小惑星ディモルフォスを観測するHera探査機と2機の超小型探査機の想像図
【▲ 小惑星ディモルフォスを観測するHera探査機と2機の超小型探査機の想像図(Credit: ESA-Science Office)】

■打ち上げ関連リンク

 

Source

  • ESA - Planetary defence mission Hera heading for deflected asteroid

文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部
#Hera #スペースX

Last Updated on 2024/10/08