広告
広告
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:IAU)

こちらは、NASAの探査機「ニュー・ホライズンズ(New Horizons)」が2015年7月14日の冥王星への最接近時に取得したデータをもとに、色彩を強調して作成された冥王星の画像です。

NASAの探査機「ニュー・ホライズンズ(New Horizons)」が観測した冥王星。中央の白いなめらかな領域がスプートニク平原(Credit: NASA/Johns Hopkins APL/SwRI)
【▲ NASAの探査機「ニュー・ホライズンズ」が観測した冥王星。中央の白いなめらかな領域がスプートニク平原(Credit: NASA/Johns Hopkins APL/SwRI)】

ニュー・ホライズンズは2006年1月19日、アメリカのケープカナベラル空軍基地(現在のケープカナベラル宇宙軍基地)から「アトラスV(Atlas V 551)」ロケットで打ち上げられました。ニュー・ホライズンズは、木星の重力を利用して速度や進行方向を変える「重力アシスト」を実施しました。冥王星へ向かう飛行中は、搭載機器の消耗を抑えるため、長期間にわたって休眠モードで運用されました。

打ち上げから約9年半後の2015年7月14日、ニュー・ホライズンズは、地球から約48億km離れた冥王星へ最接近しました。史上初となる冥王星の近接観測を行い、ハート形をした明るい地域(後に「トンボー地域」と命名)をはじめ、窒素の氷でできた氷河や水の氷でできた山地、数多くのクレーターが残る古い地形などを鮮明に捉えました。

広告

冥王星の分類変更から生まれた「plutoed」

ニュー・ホライズンズが冥王星へ最接近する約9年前の2006年8月24日、チェコのプラハで開かれたIAU(国際天文学連合)の総会で、太陽系における「惑星」の定義が採択されました。

惑星と認められるには、太陽を公転していること、自らの重力によってほぼ球形になっていること、軌道周辺の天体を取り込んだり別の軌道へ移動させたりして、その領域で重力的に支配的な天体になっていることの3つの条件を満たす必要があります。冥王星は太陽を公転しており、ほぼ球形でもあります。しかし、軌道周辺には他のカイパーベルト天体が数多く存在しており、3つ目の条件を満たしていないとされました。そのため、新たに設けられた「準惑星(dwarf planet)」に分類され、太陽系第9惑星ではなくなったのです。

この分類変更の影響は、天文学の外にも広がりました。2007年1月、アメリカ方言学会(American Dialect Society)は「plutoed」を2006年の「ワード・オブ・ザ・イヤー(Word of the Year)」に選出しました。「plutoed」は当時、冥王星の分類変更になぞらえ、人や物が「降格させられた」「価値を引き下げられた」といった意味で使われた新語です。

冥王星は再び惑星に分類されるのか

冥王星が準惑星に分類されてから20年を迎えた2026年にも、冥王星を惑星とするかどうかを巡る議論は続いています。同年4月28日、NASAのジャレッド・アイザックマン長官は、米上院歳出委員会の小委員会公聴会で、冥王星を再び惑星に戻すべきだとの考えを示しました。

アイザックマン長官は、NASAが冥王星の分類を再検討する議論を科学界で進めるため、複数の科学論文に取り組んでいるとも説明しました。ただし、論文の詳しい内容や公表時期は明らかにされていません。

また、NASA長官の発言だけで、IAUによる冥王星の分類が変更されるわけではありません。冥王星が再び惑星に分類される日は訪れるのでしょうか。分類変更から20年を経て、今後の議論の行方が注目されます。

 

編集/sorae編集部

関連記事

参考文献・出典

元記事を読む