
(引用元:NASA)
火星の砂丘にある"角ばった岩石"は何を意味しているのか?
アメリカ航空宇宙局(NASA)が公開している「Mars Perseverance Raw Images」では、火星探査車「Perseverance」が撮影したRAW画像を日々更新されています。今回ご紹介するのは、Perseveranceのミッション第222週にあたる2025年5月13日に、左のナビゲーションカメラで撮影された1枚です。
※…2025年5月13日はPerseveranceのミッション1503ソル目にあたります。1ソル(Sol)は火星の1太陽日を指し、地球時間で約24時間40分に相当します。
- Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU
- NASA - Mars Perseverance Sol 1503: Left Navigation Camera (Navcam)
今回の画像に写っているのは、Perseveranceが探査を行っているジェゼロ・クレーター内に広がる砂丘と丘陵地形です。画像中央には、角ばった岩石が点在しています。
古代の火星では、ジェゼロ・クレーターに湖が存在していたと考えられており、地形は水流の作用を受けたのち、現在まで続く風による侵食や堆積の影響を受けています。いっぽうで、角ばった岩石はこれらの作用で丸く削られていません…それはつまり「比較的最近の地質活動」あるいは「他天体の衝突によって露出した岩塊」である可能性が示唆されます。
画像をよく観察すると、手前の地表と岩石では色味や質感がわずかに異なっていることが分かります。
火星探査車Perseveranceとは
Perseveranceは、NASAが2020年に火星に送った探査車で、火星の地質や気候の調査、古代生命の痕跡の探索、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目的としています。

編集/sorae編集部