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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

こちらは、NASAの小惑星探査機「ルーシー(Lucy)」に取り付けられたメッセージプレートです。図と文字が刻まれたこのプレートは、遠い未来の人類に向けた、いわば宇宙のタイムカプセル。現在も探査の旅を続けるルーシーは、2033年に予定されているミッション終了後も、数十万年、あるいは数百万年にわたって太陽系内を飛び続けると考えられています。いつの日か私たちの子孫が探査機を発見・回収し、そこに刻まれた言葉を読み解く日が来ることを願って搭載されました。

ルーシーに取り付けられたメッセージプレート「Lucy Plaque」(Credit: Southwest Research Institute)
【▲ ルーシーに取り付けられたメッセージプレート「Lucy Plaque」(Credit: Southwest Research Institute)】

宇宙へ送られたメッセージといえば、惑星探査機「パイオニア10号・11号」に搭載された金属板や、「ボイジャー1号・2号」に搭載された「ゴールデンレコード」が知られています。太陽系を離れていくこれらの探査機には、地球外知的生命体との遭遇を考慮して、地球や人類についての情報が託されました。

一方、ルーシーのプレートが想定している読み手は、地球外知的生命体ではなく未来の人類です。NASAは、惑星間を旅する「宇宙考古学者」が、宇宙探査の初期に作られた遺物としてルーシーを回収する日が来ることを願い、このプレートを取り付けたと説明しています。

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プレートには、打ち上げ日の惑星の配置やルーシーの当初の飛行経路に加え、科学者、文学者、音楽家ら、次の20人のメッセージや言葉が収められています。

  • ビリー・コリンズ
  • リタ・ダブ
  • アルベルト・アインシュタイン
  • ルイーズ・グリュック
  • アマンダ・ゴーマン
  • ジョイ・ハルジョ
  • ジョージ・ハリスン
  • フアン・フェリペ・エレーラ
  • カズオ・イシグロ
  • マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
  • ジョン・レノン
  • ブライアン・メイ
  • ポール・マッカートニー
  • オノ・ヨーコ
  • オルハン・パムク
  • カール・セーガン
  • チャールズ・シミック
  • デイヴァ・ソベル
  • リンゴ・スター
  • オルガ・トカルチュク

カズオ・イシグロ氏はメッセージの中で、未来の読み手に「私たちは、あなたたちの歴史の一部になれるでしょうか」(一部抜粋、編集部訳)と問いかけています。

太陽系の「化石」を探るルーシー、打ち上げから5年

2026年10月16日は、ルーシーの打ち上げからちょうど5年にあたります。ルーシーは日本時間2021年10月16日18時34分、アメリカのケープカナベラル宇宙軍基地から「アトラスV」ロケットで打ち上げられました。

2021年10月16日、「アトラスV」ロケットで打ち上げられた小惑星探査機ルーシー(Credit: NASA/Bill Ingalls)
【▲ 2021年10月16日、「アトラスV」ロケットで打ち上げられた小惑星探査機ルーシー(Credit: NASA/Bill Ingalls)】

主な探査対象は、木星の公転軌道上で、木星の前方と後方に分かれて分布する「木星トロヤ群小惑星」です。これらは、初期の太陽系における惑星の形成・進化に関する情報を残した「化石」のような天体とみなされています。

探査機の名前は、エチオピアで発見された約320万年前の化石人骨「ルーシー」にちなんでいます。人類の進化を知る手がかりとなった化石のように、太陽系の歴史を探る役割が託された名前です。なお、化石のルーシーは、ビートルズの楽曲「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」にちなんで名付けられました。プレートにビートルズのメンバーらの言葉が刻まれているのも、この縁によるものです。

いよいよ木星トロヤ群小惑星へ

木星トロヤ群小惑星の探査ミッション「ルーシー」の探査機を描いた想像図(Credit: Southwest Research Institute)
【▲ 木星トロヤ群小惑星の探査ミッション「ルーシー」の探査機を描いた想像図(Credit: Southwest Research Institute)】

打ち上げから5年間で、ルーシーは小惑星帯での接近観測を重ねてきました。2023年11月には小惑星「ディンキネシュ」に接近し、その衛星「セラム」が、2つの天体がつながった接触二重小惑星であることを発見しました。2025年4月には、小惑星「ドナルドジョハンソン」のフライバイ(接近通過)探査も実施しています。

2027年8月には、小惑星「エウリュバテス(Eurybates)」と衛星「ケータ(Queta)」を皮切りに、主目的である木星トロヤ群小惑星のフライバイ探査が始まる予定です。2033年までの約12年間で、すでに観測したものや衛星を含む計11個の小惑星を探査する計画です。

小惑星探査機「ルーシー」の当初の探査対象7天体を描いた想像図。その後、衛星の発見や探査対象の追加によって、対象天体の数は増えている(Credit: NASA's Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab)
【▲ 小惑星探査機「ルーシー」の当初の探査対象7天体を描いた想像図。その後、衛星の発見や探査対象の追加によって、対象天体の数は増えている(Credit: NASA's Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab)】

太陽系の過去を調べるために送り出されたルーシーも、遠い未来には、人類の歴史を伝える遺物になるかもしれません。小惑星の観測を終えた後も、子孫への言葉を載せた旅は続いていきます。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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