
(引用元:NASA)
小高い丘の尖った岩は比較的最近のもの?
アメリカ航空宇宙局(NASA)が公開している「Mars Perseverance Raw Images」では、火星探査車「Perseverance」が撮影したRAW画像を日々更新しています。今回ご紹介するのは、Perseveranceのミッション第217週にあたる2025年4月8日に、マストにある右のMastcam-Zで撮影された1枚です。
※…2025年4月8日はPerseveranceのミッション1469ソル目にあたります。1ソル(Sol)は火星の1太陽日を指し、地球時間で約24時間40分に相当します。
- Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU
- NASA - Mars Perseverance Sol 1469: Right Mastcam-Z Camera
今回の画像は、Perseveranceが撮影した、岩が密集した小高い丘の様子を捉えています。大小さまざまな角張った岩石が散在しており、多くは丸みを帯びず尖った形状をしています。こうした形状からは、風化があまり進んでいないか、あるいは比較的最近に崩壊・破砕した岩塊の可能性も考えられます。
また、表面を覆う微細な砂塵は火星特有の酸化鉄により赤茶色から淡黄土色へと変化しており、風による堆積や風化の度合いの違いを感じさせます。
火星探査車Perseveranceとは
Perseveranceは、NASAが2020年に火星に送った探査車で、火星の地質や気候の調査、古代生命の痕跡の探索、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目的としています。

Mastcam-Zについて
Mastcam-Zは、Perseveranceのマストに搭載されている2つのカメラシステムで、主に火星の地形や岩石を立体的に撮影することができます。2012年8月に火星に着陸した火星探査車「Curiosity」に搭載されたMastcamから改良が加えられており、Mastcam-Zは最大4倍のズームが可能となっています。
なお、NASAによるとMastcam-Zの「Z」は、Zoomを意味するものだといいます。

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編集/sorae編集部