
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、ポンプ座の方向約2億2500万光年先に位置する銀河「ESO 316-32」(別名AM 1006-380、Vela ring galaxy)です。この銀河は環状銀河(ring galaxy)に分類されており、小さな銀河が大きな銀河の中心を垂直に突き抜けるように衝突した結果、リング状の構造が形づくられたと考えられています。
ESO 316-32の大きな特徴は、少なくとも2つのリング構造を持っている点です。これは衝突から長い時間が経過した後の進化した状態だと考えられています。画像を見ると、銀河の右側にゆがんだリング構造が確認できますが、これは衝突角度や銀河同士の質量差、そして経過時間などの影響を受けて変形したものとみられます。
また、画像左側に写っている明るい恒星「HD 88170」は、地球から約1500光年先にある前景の天体です。ESO 316-32まではその15万倍以上も離れているため、両者が互いに影響を及ぼすような距離関係にはありません。
なお、画像を公開したヨーロッパ南天天文台(ESO)はこの天体を「A cosmic hit and run(宇宙の当て逃げ)」というタイトルで紹介しています。
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編集/sorae編集部