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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:ESA/Hubble)

こちらは、超大質量ブラックホールの周辺で渦巻くガスの嵐を描いた想像図です。

中心の黒い点がブラックホール(※)、その周囲を取り巻く明るい円盤は「降着円盤」と呼ばれています。ブラックホールに飲み込まれつつあるガスが、激しい摩擦によって高温に熱せられ、強く輝いている様子を示しています。いっぽう、円盤の周囲には青白いガスが渦巻くように広がっており、こちらはブラックホールから吹き飛ばされていくガスを表しています。このように、物質を「飲み込む」現象と「吹き飛ばす」現象が同時に起きているのが、活動銀河中心核(AGN)の大きな特徴です。

※…厳密にはブラックホール自体は光を発しないため見ることはできません。この黒い部分は、強烈な重力によって光すら抜け出せなくなる境界「事象の地平面(イベント・ホライズン)」、およびその重力によって光が遮られて生じる「ブラックホールの影(シャドウ)」を表現したものです。

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活動銀河「Markarian 509」の中心に潜む超大質量ブラックホール周辺を描いた想像図。中央のブラックホールを取り巻く赤橙色の降着円盤からは、上下方向に高速のガスが吹き出している。「飲み込む」と「吹き飛ばす」が同時に起きるブラックホール周辺の複雑な姿が表現されている(Credit: NASA, M. Weiss/Chandra X-ray Center)
【▲ 活動銀河「Markarian 509」の中心に潜む超大質量ブラックホール周辺を描いた想像図。中央のブラックホールを取り巻く赤橙色の降着円盤からは、上下方向に高速のガスが吹き出している。「飲み込む」と「吹き飛ばす」が同時に起きるブラックホール周辺の複雑な姿が表現されている(Credit: NASA, M. Weiss/Chandra X-ray Center)】

この画像は、みずがめ座の方向、地球から約5億光年先に位置する活動銀河「Markarian 509」の中心部をイメージして描かれたものです。この銀河の中心には、太陽の約3億倍という桁違いの質量を持つ超大質量ブラックホールが潜んでいると考えられています。

2009年から2010年にかけて行われた観測研究によって、Markarian 509の中心部の詳細な姿が明らかになりました。ブラックホールから秒速数百kmで吹き飛ばされる「弾丸」のようなガスの塊や、降着円盤の上空に広がる超高温ガスの「コロナ」など、これまで見えなかった構造が次々と捉えられたのです。物質の「吸い込み」と「吹き出し」が同居するブラックホール周辺の複雑な環境が、この研究によって初めて立体的に描き出されました。

ALMA望遠鏡による多相ガスの発見

2021年、活動銀河Markarian 509の姿に新たな一面が加わりました。イタリアの研究チームが電波望遠鏡ALMAを使ってMarkarian 509を詳しく観測し、小規模な銀河同士の合体が進行中であること、そして中心部から温かく電離したガス風だけでなく、より低温の分子ガス風まで、複数の温度状態のガスが吹き出していることを明らかにしました。2009年から2010年に行われた観測研究で描かれた「ブラックホール風」の姿が、より立体的に補強された形です。

降着円盤コロナの解明が進行中

2021年末に打ち上げられた「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」や、2023年に打ち上げられたX線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」の登場により、活動銀河中心核における降着円盤やコロナの研究はさらに精密化しています。

地球から約5億光年という宇宙のスケールでは比較的「身近」に潜む大質量ブラックホールであるMarkarian 509は、謎多きAGNのメカニズムを解き明かすための格好の研究対象として、現在も天文学者たちの注目を集め続けています。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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