
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
今回紹介するのは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)の超大型望遠鏡(VLT)が撮影した、暗黒星雲(分子雲)「バーナード68(Barnard 68)」です。無数の星で埋め尽くされた領域の中に、ぽっかりと"穴"があいたような黒い領域が見えます。

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一見すると「星がない=宇宙に穴があいている」ようにも見えますが、実際は異なっています。バーナード68は、塵(ダスト)や分子ガスが濃く集まった「分子雲」で、背後から届く可視光を強く吸収するため、黒いシルエットとして浮かび上がります。こうした天体は古くから「暗黒星雲」とも呼ばれてきました。
バーナード68は、へびつかい座(Ophiuchus)の方向に位置しています。中心部に背景の星がほとんど見えないことから比較的近い天体だと考えられており、距離は約500光年、見かけの大きさに対応する実際の直径はおよそ0.5光年ほどとされています。
近年の追加観測:ウェッブ宇宙望遠鏡が「宇宙線」を手がかりに内部を探る
2025年にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の近赤外線観測で、宇宙線に励起された分子状水素(H₂)の放射を直接とらえる研究が報告されました。雲の内部へ宇宙線がどれだけ入り込み、どの程度弱まるのか(減衰)を“光”として測る道が開けた、という位置づけです。
また、電波観測では、バーナード68の一部が別の“コア”と衝突している可能性を示す研究も報告されています(雲内部の運動や化学組成から検討)。暗黒星雲は静かな「影」に見えても、将来の星形成へつながる過程の途中にあることがうかがえます。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- sorae - 宇宙に開いた穴? 分子雲「Barnard 68」
- ESO - B68, the black cloud
- arXiv - "JWST observations of cosmic-ray-excited H₂ in Barnard 68: spatial variations and constraints on cosmic-ray attenuation"
- arXiv - Li, Henkel et al. (2025) "Evidence for Core–Core Collision in Barnard 68" The Astrophysical Journal

























