
火星の表面から失われた水にも関係するかもしれない新しい研究成果を、アメリカの研究者らのチームが発表しました。
研究チームの論文では、NASA=アメリカ航空宇宙局の火星探査機「MAVEN(メイブン)」の観測データを分析した結果、太陽風に含まれる高エネルギーの荷電粒子によって火星の大気に含まれるアルゴンが弾き出される様子を、初めて直接的に観測していたことがわかったと報告されています。
アルゴンは従来の予測と比べて4倍以上のペースで弾き出されていて、太陽嵐が発生した時にはペースがさらに上昇することもわかりました。
こうしたプロセスは初期の火星における大気散逸の主な原因となり、火星における水の歴史を決定づける役割を果たしたと研究チームは考えています。
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文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - NASA’s MAVEN Makes First Observation of Atmospheric Sputtering at Mars
- Curry et al. - First direct observations of atmospheric sputtering at Mars