
火星の水は、どのようにして表面から失われたのか。
その謎に迫る新たな研究成果を、アメリカの研究者らのチームが発表しました。
研究チームは、火星の地下約1マイル(約1.6km)以上にあったと考えられる帯水層まで、水が浸透するのに必要な時間を試算。その結果、50年~200年と算出されました。
表面から帯水層まで移動した水の量は、火星の表面全体を少なくとも90mの深さで覆えるほどだったと推定されています。
地下水面が比較的地表に近い地球では、水は蒸発と降雨を繰り返して循環しています。
一方、数十億年前の火星で雨として降った水は、表面に短期間しか留まらずに地下へとしみ込んでいき、再び表面に戻ることはなかったと研究チームは考えています。
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文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- University of Texas at Austin - UT Austin Grad Students Find Missing Link in Early Martian Water Cycle
- Shadab et al. - Infiltration Dynamics on Early Mars: Geomorphic, Climatic, and Water Storage Implications (Geophysical Research Letters)