
こちらは太陽系最大の惑星・木星の姿。正面には木星最大の特徴である大赤斑が見えています。そのまま視線を下に向けていくと、別の小さな天体が木星の縁に少しだけ隠れている様子が捉えられているのがわかります。

太陽系最大の“惑星”に隠れつつある太陽系最大の“衛星”をハッブル宇宙望遠鏡が観測
この天体は木星の衛星Ganymede(ガニメデ)です。直径5268kmのGanymedeは、直径4880kmの水星よりも大きい太陽系最大の衛星として知られています。とはいえ、そんなGanymedeも直径約14万kmの木星と比べれば大赤斑の幅にも満たない小さな存在でしかありません。
この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」に2009年まで搭載されていた「広視野惑星カメラ2(WFPC2)」で取得したデータを使って作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡はこの時、約7日周期で公転するGanymedeが木星の向こう側に隠れようとしている瞬間を捉えています。鋭敏なハッブル宇宙望遠鏡で取得された画像をよく見ると、白く明るいトロス・クレーター(Tros、直径約94km)など表面の特徴を識別することが可能です。
太陽系最大の惑星と衛星を同時に捉えた冒頭の画像はNASA=アメリカ航空宇宙局が2008年12月18日付で公開したもので、2025年4月のハッブル宇宙望遠鏡打ち上げ35周年を記念して改めてNASAが紹介しています。
Hide & seek: Jupiter edition!
One of Jupiter's many moons, Ganymede, peeks out behind the planet in this view from Hubble's 19th year.
Ganymede orbits around Jupiter every seven days and can routinely be seen passing in front of the gas giant: https://t.co/IKkCxqAhor pic.twitter.com/bd9HsSYEXu
— Hubble (@NASAHubble) April 7, 2025
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - HST/WFPC2 Image of Jupiter and Ganymede Taken April 9, 2007