左:第24太陽活動周期の極大期を迎えた2014年4月の太陽。右:第25太陽活動周期の開始を告げる極小期を迎えた2019年12月の太陽(Credit: NASA/SDO)

NASAとNOAA(アメリカ海洋大気庁)による国際的な専門家グループ「太陽活動第25周期予測パネル(The Solar Cycle 25 Prediction Panel)」は、およそ11年周期で変化する太陽活動の新たな周期となる第25太陽活動周期が始まったことを発表しました。

現在の太陽は第24太陽活動周期から次の第25太陽活動周期への移行期にあたるとみられており、活動周期の境目となる「極小期」がいつになるのかが注目されていました。極小期は観測された黒点の数(黒点相対数)をもとに判断されますが、各月の黒点相対数は増減しながら推移していくため、ある月が極小期だったかどうかを判断するには前後6か月間も含めた13か月の移動平均値が最小だったかどうかで判断されます。

発表では、黒点相対数の13か月移動平均値が1.8で底を打った2019年12月が極小期だったとされています。国立天文台太陽観測科学プロジェクトも、三鷹キャンパス(東京都三鷹市)における観測データをもとに算出された黒点相対数の移動平均値が2019年12月に1.52で最小となってからは増加傾向にあるとしており、この月を境に第25太陽活動周期が始まったとみられています。

NOAAによると、終了が確認された第24太陽活動周期はこの100年で最も活動が弱く、太陽活動周期の記録が始まった1755年以降でも4番目に弱かったといいます。2025年7月に極大期を迎えると予測されている第25太陽活動周期も第24太陽活動周期と同程度の強さになるとみられていますが、第21太陽活動周期以降の低調な活動は終わりつつあるとされています。パネルの共同議長を務めたLisa Upton氏は「太陽活動がマウンダー極小期(※)のような状態に向かっているという兆候はありません」と言及しています。

※…1645年~1715年にかけて太陽の黒点数が大幅に減少した時期

太陽の活動は情報通信網や人工衛星などを利用する人類の活動にも大きな影響を与えることがあり、太陽フレアをはじめとした宇宙天気現象を予報するための取り組みが進められています。NOAAは第25太陽活動周期の極大期に先立ち、太陽風のサンプリングやコロナ質量放出の観測といった宇宙天気予報に特化した探査機「SWFO-L1(Space Weather Follow-On L1)」を2024年に打ち上げる予定です。

 

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Image Credit: NASA/SDO
Source: NASA / NOAA / 国立天文台
文/松村武宏

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