今年2019年のノーベル物理学賞を受賞したミシェル・マイヨール氏とディディエ・ケロー氏。お二人が同賞を受賞するきっかけになった「太陽系外惑星」は、今では4000以上もの存在が確認されています。そのなかには、太陽系では考えられないような極端な環境を持つ系外惑星も含まれています。

■わずか1日で主星を公転、熱すぎて表面はマグマの海に覆われていると予想

系外惑星「かに座55番星e」表面の想像図。今回発見された「HD 213885b」も、このように表面がマグマの海に覆われているとみられている(Credit: NASA)

12月5日付でNASAの系外惑星アーカイブに登録された「HD 213885b」は、南天の「きょしちょう座」の方向およそ156光年先にある恒星「HD 213885」を周回する系外惑星です。NASAの系外惑星探査衛星「TESS」の観測データをもとに、Néstor Espinoza氏(米・宇宙望遠鏡科学研究所(STScI))らの研究チームによって発見されました。

HD 213885bの質量は地球およそ8.8個分、直径は地球の約1.74倍で、地球よりも大きな岩石質の系外惑星を指す「スーパー・アース」に分類されています。特徴的なのはその公転軌道で、主星からの距離がおよそ0.02天文単位(太陽から地球までの50分の1)しか離れておらず、一周するのにほぼ地球の1日しか掛かりません。

主星が赤色矮星(M型星)のように小さく温度が低ければ、これほど近くても地球のような環境を持ち得たかもしれません。しかし、HD 213885は太陽にとてもよく似た恒星(G型星)であるため、その至近距離を公転するHD 213885bの表面温度は摂氏およそ1800度と推定されており、表面では岩が融けてマグマの海が広がっていると考えられています。

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表面が灼熱のスーパー・アースはHD 213885bだけではありません。15年前の2004年には、やはり太陽によく似た「かに座55番星A」を周回するスーパー・アース「かに座55番星e(55 Cancri e)」が見つかっています。かに座55番星eの質量は地球およそ8個分、直径は地球の約1.9倍とみられており、公転軌道を17時間40分ほどで一周してしまうほど主星に近いため、表面温度は1700度近くに達するとみられています。

研究チームは論文において、サイズや質量、主星のタイプなどがかに座55番星eによく似ているHD 213885bは、高温の環境におかれたスーパー・アースを理解する上で格好の比較対象になると期待を寄せています。

主星の至近距離を公転するかに座55番星eの想像図(Credit: ESA/Hubble, M. Kornmesser)

 

Image Credit: NASA
Source: NASA
文/松村武宏

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