国立天文台は6月4日、ハワイのマウナケア山の頂上にある「すばる望遠鏡」が撮影した、小惑星1999 JU3の写真を公開した。小惑星1999 JU3は、昨年12月に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」の目的地としても知られる。

この写真はハワイ現地時間2015年5月20日の早朝に撮影されたもので、当時、1999 JU3は地球からおよそ2億4000万km(1.61天文単位)離れた距離にいたという。明るさは22.3等ほどと非常に暗かったものの、すばる望遠鏡が持つ高い性能によって、その姿を写し出すことに成功した。

1999 JU3は1999年に発見された地球近傍小惑星で、大きさは1km弱と見られている。2014年12月3日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」の行き先の小惑星としても知られている。

「はやぶさ2」は打ち上げ以来、順調に宇宙空間を航行し続けており、現在は今年12月3日に予定されている、地球の重力と公転速度を使って、軌道と速度を変える地球スイングバイの実施に向けて、イオン・エンジンを噴射し続ける運用が行われている最中にある。

観測を行ったハワイ観測所の寺居剛さんは、発表文の中で「観測時は明け方のうえ雲が多く、条件はあまり良くなかったのですが、1999 JU3が放つ微かな光をはっきり捉えることができました。この小惑星はどのような素顔を我々に見せてくれるのでしょうか?そしてそれはどのような太陽系の歴史を教えてくれるのでしょうか? 『はやぶさ2』の探査を心待ちにしています」と語っている。

 

■トピックス - 「はやぶさ2」が向かう小惑星、すばる望遠鏡が撮影 - すばる望遠鏡
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