こちらの画像の中央付近に写っているのは、「うみへび座(海蛇座)」の方向約3億3000万光年先の相互作用銀河「Arp 142」です。右側の渦巻銀河「NGC 2936」と左側の楕円銀河「NGC 2937」で構成されています。
相互作用銀河とは接近したり衝突したりすることで重力の影響を及ぼし合っている複数の銀河のこと。そのなかには潮汐力によって形が大きくゆがんだり、渦巻腕(渦状腕)が長い尾のように伸びていたりするものもあり、時に生物的な印象を受ける姿をしていることがあります。Arp 142の場合は右側のNGC 2936がペンギンで、左側のNGC 2937が卵に見えてきませんか?
この画像は国立天文台(NAOJ)ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」に設置されている超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam(HSC、ハイパー・シュプリーム・カム)」を使って撮影されました。すばる望遠鏡は“ペンギン”の周囲や左上の少し離れたところで淡くぼんやりと輝く衝突の痕跡も捉えています。
なお、Arp 142は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」や「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」でも撮影されていて、先日はウェッブ宇宙望遠鏡の科学観測開始2周年の記念画像にも選ばれています。
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・ペンギンと卵のような相互作用銀河「Arp 142」 ウェッブ宇宙望遠鏡観測開始2周年記念(2024年7月16日)
冒頭の画像は国立天文台から2024年7月31日付で公開されています。
Source
- NAOJ - 卵をかかえたペンギンのような衝突銀河ペア (Arp 142)
文・編集/sorae編集部