米スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社は米国時間4月27日、トルクメニスタンが初めて保有する通信衛星「トルクメンアーレム52E/モナコサット」を搭載したファルコン9 v1.1ロケットの打ち上げに成功した。またファルコン9は前回の打ち上げから、わずか13日という短い間隔で、同じ発射台からの打ち上げを成し遂げた。
ロケットは米東部夏時間2015年4月27日19時3分(日本時間2015年4月28日8時3分)、フロリダ州にあるケープ・カナヴェラル空軍ステーションのSLC-40から離昇した。ロケットは順調に飛行し、打ち上げから約32分後に衛星を分離、所定の軌道へ投入した。
トルクメンアーレム52E/モナコサットは、トルクメニスタン通信省と、モナコ公国のスペース・システムズ・インターナショナル・モナコ社によって共同運用される通信衛星で、欧州や中央アジア、アフリカなどに通信サーヴィスを提供する。
衛星の製造はタレース・アレーニア・スペース社が担当し、打ち上げ時の質量は4500kg、設計寿命は約15年が予定されている。
この衛星はトルクメニスタンが初めて保有する通信衛星である。ちなみにトルクメニスタンは、2005年に記念事業として、国旗とルーフナーマを、ロシアのドニエプル・ロケットに載せて打ち上げている。
ファルコン9ロケットはスペースX社によって開発されたロケットで、打ち上げ機数は今回で18機目、今年に入ってからは5機目の打ち上げとなった。ただし、6号機から使われているファルコン9 v1.1には、1号機から5号機まで使われたv1.0とまったく異なるロケットといえるほどの改良が施されているため、v1.1のみでは13機目の打ち上げとなった。これまでに大きな失敗は起こしておらず、非常に安定したロケットである。
ファルコン9の前回の打ち上げは米国時間4月14日夕方(日本時間4月15日早朝)に行われており、それからわずか13日という短い間隔で、なおかつ同じ発射台から打ち上げに成功した。同社のこれまでの最短記録は14日間だったが、それを塗り替えたことになる。
次回のファルコン9の打ち上げでは、国際宇宙ステーションに物資を補給するドラゴン補給船運用7号機を搭載する。打ち上げ日は米国時間6月19日(日本時間6月20日)に予定されている。なお5月5日には、ファルコン9が打ち上げられているケープ・カナヴェラル空軍基地のSLC-40において、スペースX社が開発中の「ドラゴンV2」宇宙船の、緊急脱出システムの試験が実施される予定となっている。
■Falcon 9 launches TurkmenÄlem52E/MonacoSat for Thales Alenia Space | SpaceX
http://www.spacex.com/news/2015/04/28/falcon-9-launches-turkmenalem52emonacosat-thales-alenia-space