アリアンスペース社は29日、カザフスタン共和国の地球観測衛星DZZ-HRを搭載したヴェガロケットの打ち上げに成功した。ヴェガロケットの打ち上げは今回が3機目。またDZZ-HRはカザフスタンにとって初めて保有する地球観測衛星となる。
DZZ-HRを搭載したヴェガは、南米仏領ギアナ現地時間2014年4月29日22時35分15秒(日本時間2014年4月30日10時35分15秒)、ギアナ宇宙センターのヴェガ発射台(ELV)から離昇した。ロケットは順調に飛行し、 55分29秒後に衛星を軌道へと送り届けた。その後DZZ-HRには、カズEOサットの愛称が与えられた。
DZZ-HR改めカズEOサット(カズ・イー・オー・サットと読む)はエアバス・ディフェンス&スペース社によって製造された地球観測衛星で、カザフスタン宇宙庁が保有する企業JSC NC KGSによって運用される。カザフスタンはこれまで通信衛星は保有していたが、地球観測衛星を持つのは今回が初めてとなる。
カズEOサットは分解能1mの光学センサーを持ち地上を撮影、得られた画像は資源管理や災害への対応に利用される。打ち上げ時の質量は830kgで、高度750km、軌道傾斜角98.54度の太陽同期軌道で運用される。設計寿命は7.25年が予定されている。
この打ち上げはもともと現地時間28日の同時刻に予定されていたが、衛星に空調を提供するためのアンビリカル・ケーブルの不具合により、打ち上げ直前に延期されていた。
今回の打ち上げはヴェガにとって3機目かつ、3機連続での成功となった。
次のヴェガの打ち上げは、今年の10月に予定されているIXV(アイ・エクス・ヴィー)となる。IXVはリフティング・ボディの再突入実験機で、衛星軌道ではなく弾道軌道に打ち上げられる。
■Arianespace - Mission Update - Another light-lift success! The latest Vega launch delivers Kazakhstan’s first Earth observation satellite to orbit
http://www.arianespace.com/news-mission-update/2014/1165.asp