インドの航空宇宙の大手企業ヒンドスタン航空機は13日、インド国産の宇宙船の、クルー・モジュール(宇宙飛行士が乗り込む区画)を公開した。インドの宇宙船の実物が公になるのは初めて。このカプセルは同社からインド宇宙研究機関(ISRO)のヴィクラム・サラバイ宇宙センターに輸送され、今年4月に予定されている初打ち上げに向け、準備が進められる。

インドは2006年から有人宇宙船の開発を始め、また2007年にはSRE-1と呼ばれる再突入実験機の試験にも成功している。2008年にはロシアとの間で、自国の宇宙飛行士をソユーズ宇宙船で飛ばし経験を積ませるほか、宇宙船の開発にソユーズの技術を使うことで覚書が交わされているが、後にこれは流れ、ソユーズによる飛行はなくなり、宇宙船の開発も現在は自力で進められている。

宇宙船の質量は約3tで、3名の宇宙飛行士を乗せ、7日間宇宙に滞在できるという。

今回輸送された宇宙船のカプセルは、現在インドが開発中の新型ロケット、GSLV Mk-IIIの1号機で、今年4月に無人で打ち上げられ、試験される予定となっている。この1号機はロケットは第1段とブースターのみで打ち上げられ、カプセルは衛星軌道には乗らない。それでも高度は120km、速度は秒速5kmほどには達するため、初のカプセルの飛行試験としては十分であろう。

実際に人を乗せての飛行は、現時点で2016年に予定されている。

 

■Hindustan Aeronautics Limited