ロシア航空宇宙防衛軍、フルニチェフ社は9月12日、通信衛星ガニェーツMを3機搭載したロコット/ブリーズKMロケットを打ち上げた。ロコットは今年1月、衛星を計画通りの軌道に投入できなかった上に、上段の軌道離脱にも失敗しており、以来飛行が停止されていた。
3機のガニェーツMを搭載したロコット/ブリーズKMは、モスクワ時間9月12日3時23分(日本時間同日8時23分)、ロシアのアルハンゲリスク州にあるプレセツク宇宙基地の133/3発射台から離昇、3機の衛星をそれぞれ予定通りの軌道に投入し、打ち上げは成功した。
ロコットは大陸間弾道ミサイルのUR-100N UTTHを基に、衛星打ち上げ機として開発されたロケットである。今日までに弾道飛行の試験を含めると21機が打ち上げられ、そのうち衛星を予定の軌道に投入できなかったなどの明確な失敗を2回起こしている。
今年1月にも3機の軍用通信衛星ストレラ3Mを搭載して打ち上げたものの、3機とも計画通りの軌道に乗せられず、そのうち2機は運用が続けられているものの、1機は機能喪失したと報じられている。また、衛星分離後のブリーズKMは通常、大気圏に再突入して処分する時期を早めるため、軌道離脱噴射を実施するはずであったが、この打ち上げではどういうわけか行われず、何らかの問題が発生したことを示唆していた。
ガニェーツMは民間向けの通信衛星で、主に地上の通信サービスが行き届いていない地域を対象にサービスが展開される。高度1,350km、傾斜角82.5度の軌道に12機の衛星を、2つの軌道面に分けて配備することが目指されている。今回の打ち上げ成功で8機が軌道上で稼動することになる。
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