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GoogleのAI用チップ搭載衛星、宇宙環境で動作試験へ 宇宙データセンター構想の初実証

Googleは2026年9月24日付で、宇宙でのAI処理を目指す研究計画「Project Suncatcher(プロジェクト・サンキャッチャー)」について、初の軌道上実証を行うと発表しました。Googleが開発した機械学習向け半導体「TPU(Tensor Processing Unit)」を搭載した試作衛星を打ち上げ、宇宙環境での動作を確かめます。

Googleの研究計画「Project Suncatcher」の公式ビジュアル(Credit: Google)
【▲ Googleの研究計画「Project Suncatcher」の公式ビジュアル(Credit: Google)】

試作衛星は、SpaceX(スペースX)の小型衛星相乗り(ライドシェア)ミッション「Transporter-18」で打ち上げられます。使用する「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットの打ち上げ可能時間帯は、日本時間10月2日午前3時18分~4時16分の58分間(※)。アメリカ・カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられ、試作衛星は地球低軌道へ投入される予定です。

※…2026年9月29日現在の情報

太陽光を活用する宇宙のAI計算基盤

Project Suncatcherは、Googleが2025年11月に発表した、太陽光発電で稼働する衛星群を使い、宇宙で大規模なAI処理を行えるか探る研究計画です。衛星にTPUを搭載し、複数の衛星を光通信でつなぐ構想を検討しています。

【▲ Project Suncatcherで検討されている衛星群の相対運動のシミュレーション。今回打ち上げる試作衛星の軌道を表したものではありません(Credit: Google)】

宇宙を利用する理由の一つが、太陽光による電力の確保です。Googleによると、適切な軌道を選べば衛星はほぼ継続的に太陽光を受けられ、太陽電池パネルの発電量は地上の最大8倍になるといいます。衛星同士を連携させ、将来的には宇宙のデータセンターとして機能させることを目指しています。

放射線や冷却の課題を軌道上で検証

今回のミッションは、アメリカの衛星事業者Planet(プラネット)との協力で進められています。打ち上げ時の振動や加速度、軌道上の放射線や厳しい温度環境がTPUの動作にどのような影響を及ぼすか、実際の宇宙でデータを集めます。

半導体が発する熱を逃がす仕組みも課題です。真空の宇宙では空気の流れを利用した冷却ができないため、Googleは熱を移動させるヒートパイプと、熱を宇宙空間へ放射するラジエーターを組み合わせた冷却方法などを研究しています。地上では宇宙の温度・真空環境を模擬した試験を進めており、軌道上でも冷却システムの働きを確かめます。

【▲ 宇宙でAI用チップを冷却する仕組みを紹介するGoogleの公式動画(英語)】

Googleは今回の実証で得られた知見を、今後の衛星設計に反映する方針です。2027年には2機の衛星を打ち上げ、AI処理に必要な大量のデータを衛星間でやり取りするためのレーザー通信を試験する計画です。

 

文・編集/sorae編集部

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参考文献・出典