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ハビタブルゾーンの惑星を探索するESAの「プラトー」宇宙望遠鏡が完成 打ち上げ前の最終試験へ

こちらは、ESA=ヨーロッパ宇宙機関が組み立てを進めてきた宇宙望遠鏡「Plato(プラトー)」です。ESAは2025年10月9日付で、Plato宇宙望遠鏡の組み立てが完了したことを発表しました。

ハビタブルゾーンの地球型惑星を探索するPlato宇宙望遠鏡

組み立てが完了したESAの「Plato(プラトー)」宇宙望遠鏡(Credit: ESA – SJM Photography)
【▲ 組み立てが完了したESAの「Plato(プラトー)」宇宙望遠鏡(Credit: ESA – SJM Photography)】

Platoは、太陽に似た恒星のハビタブルゾーン(※)までを公転する地球型惑星の発見と、その特性の調査を主な目的として開発された宇宙望遠鏡です。打ち上げ時の重量は約2300kg、太陽電池パドルを展開した状態で幅約9mの大きさがあります。

※…大気を持つ惑星の表面に液体の水が存在し得る、恒星から一定の範囲にある領域。童話「3びきのくま」にちなんでゴルディロックスゾーンとも呼ばれる。

太陽系外の惑星系のイメージ図。恒星の手前を惑星が横切る「トランジット」が起きると、一部が惑星に隠さることで恒星の明るさはごくわずかに低下する。Plato宇宙望遠鏡は、この現象を通じて太陽系外惑星を探索する(Credit: ESA)
【▲ 太陽系外の惑星系のイメージ図。恒星の手前を惑星が横切る「トランジット」が起きると、一部が惑星に隠さることで恒星の明るさはごくわずかに低下する。Plato宇宙望遠鏡は、この現象を通じて太陽系外惑星を探索する(Credit: ESA)】

観測機器として搭載されているのは、可視光線を検出する26台のカメラ。Platoはずらりと並んだこれらのカメラを同時に使用して、恒星の手前を惑星が横切る「トランジット」が起きた時の、恒星の明るさのごくわずかな変化をもとに惑星を検出します。

1台のカメラには4つのCCDセンサーが搭載されていて、26台のカメラのうち24台は25秒ごと、2台はより短い2.5秒ごとに画像を取得します。取得される画像は1台あたり81.4メガピクセル、全体では2.11ギガピクセルとなり、ESAによれば宇宙ミッションとしては過去最大です。

ESAの「Plato(プラトー)」宇宙望遠鏡のCGイメージ(Credit: ESA/ATG medialab)
【▲ ESAの「Plato(プラトー)」宇宙望遠鏡のCGイメージ(Credit: ESA/ATG medialab)】

カメラの温度はマイナス80℃に保つ必要があるため、Platoには太陽光をブロックするためのサンシールドが備わっています。2025年9月9日にはサンシールドと太陽電池が一体化したモジュールを取り付ける作業が行われ、続く9月16日・22日には左右の太陽電池パドルの展開試験も行われました。

完成したPlatoは、打ち上げに向けた最終試験に臨むことになります。打ち上げ時の振動と騒音、宇宙空間の極端な熱環境を模した試験を受けて、問題なく動作することを実証しなければなりません。

【▲ ESAの「Plato(プラトー)」宇宙望遠鏡の太陽電池パドル展開試験の様子(Credit: ESA - European Space Agency / Rowan Moorkens O'Reilly (ATG Europe))】

一連の試験が完了した後、Plato宇宙望遠鏡は「Ariane 6(アリアン6)」ロケットで2026年12月に打ち上げられる予定です。

打ち上げ後は太陽と地球の重力や天体にかかる遠心力が均衡するラグランジュ点のうち、地球から見て太陽の反対側にある「L2」(地球からの距離は約150万km)を周回するような軌道に入り、太陽系外惑星を捜索・調査する4年間(最長8.5年間)のミッションが始まることになります。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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