
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
【▲ 火星の北中緯度にあるクレーター内部を真上から撮影したMRO撮影の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona)】 
【▲ 火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」を描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】
(引用元:NASA)
こちらは、NASAの火星探査機「マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)」に搭載された高解像度カメラ「HiRISE」によって撮影された、火星の北半球・中緯度地域に位置するクレーターの内部を捉えた画像です。
画像全体に広がるのは、まるで芸術的な彫刻の一部を拡大したような細かな筋模様。この形状は、風によって運ばれた砂や塵が作り出した「風紋」です。クレーターの底を埋め尽くすようにびっしりと並ぶ風紋の合間には、表面が平らな卓状台地も確認できます。
Source
- Image Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona
- NASA - Layered Deposits and Wind Ripples
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この一枚の画像からは、火星の風の動きを読み解くことができます。

クレーターの底に広がる風紋はほぼ一定の方向で、この地域に吹く風向きがわかります。しかし、内壁に近い場所では様子が変化します。場所によっては風紋が放射状に並んでおり、これはクレーターの壁という地形の起伏によって風の流れが変化し、壁に沿って吹き抜ける風が砂紋の向きを変えていると考えられます。
また、クレーター内の右上に見られる卓状台地は、クレーターが形成された後に長い時間をかけて堆積物が積もってできたもの。風紋はそれよりも後に形成されたと考えられており、この場所が太古から現在に至るまで、衝突、堆積、そして風による浸食というプロセスを経てきたことを物語っています。
静止画でありながら、絶えず吹き続ける火星の風と、悠久の時の流れを感じさせる一枚です。

編集/sorae編集部
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