広告
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:ESA/Hubble)

こちらは、2002年5月9日にESA/Hubbleから公開された、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野惑星カメラ2(WFPC2)で撮影した輝線星雲「N44C」の画像です。

ハッブル宇宙望遠鏡の広視野惑星カメラ2(WFPC2)で撮影された、大マゼラン雲にある輝線星雲「N44C」(Credit: NASA/ESA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: D. Garnett (University of Arizona))
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の広視野惑星カメラ2(WFPC2)で撮影された、大マゼラン雲にある輝線星雲「N44C」(Credit: NASA/ESA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: D. Garnett (University of Arizona))】

N44Cは、南天のかじき座の方向約15万光年先にある、天の川銀河の伴銀河「大マゼラン雲(LMC)」の中に位置しています。N44Cは、若く高温な大質量星や星雲、複数の超新星爆発によって形成された巨大な空洞「スーパーバブル(superbubble)」などを含む「N44複合体」の一部です。画像下部左側には、そのスーパーバブルの一部も写っています。

画像右上に広がるガスのフィラメント(筋状構造)は、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」に描かれた髪にたとえられています。この構造を作り出しているのは、そばにあるウォルフ・ライエ星(Wolf-Rayet star)です。ウォルフ・ライエ星は非常に激しい恒星風を持つ大質量星で、その風が周囲のガスに衝突して衝撃波を生み、ガスを光らせています。

広告

N44Cにはもうひとつ天文学者を悩ませる謎があります。この星雲を照らしている星の温度が約7万5000℃と推定されており、通常の大質量星(表面温度3万〜5万℃程度)では説明がつかないほど高温だといいます。NASAによれば、過去にX線を放射していたものの現在は活動を休止している中性子星やブラックホールが関係している可能性が指摘されています。

なお、画像の左上が階段状に欠けているのは、撮影に使われたWFPC2の構造によるものです。WFPC2は4つのCCDセンサーで構成されていますが、そのうち1つだけ拡大率が異なるため、4枚を並べて1枚の画像に合成すると該当する部分だけ視野が狭くなるため、このような欠けが生じるのです。

 

編集/sorae編集部

関連記事

参考文献・出典

元記事を読む