![冥王星にかつて存在した液体窒素の湖の痕跡【今日の宇宙画像】](https://sorae.info/wp-content/uploads/2016/03/20160329npluto.jpg)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらの画像は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) の探査機「ニュー・ホライズンズ」が、2015年7月14日に冥王星をフライバイした際に撮影したものです。ニュー・ホライズンズは2006年に打ち上げられ、約9年半をかけて冥王星に到達し、人類史上初めて冥王星とその衛星を間近で観測しました。
画像に映っているのは、冥王星の特徴的なハート型の地形である「トンボー領域(Tombaugh Regio)」の西側部分、「スプートニク平原(Sputnik Planitia)」の北側に位置する地形です。NASAによれば、この地形はかつて液体窒素の湖が存在した可能性があるとされています。
現在の冥王星は、大気圧が非常に低く、表面温度も摂氏マイナス220度前後と推定されるため、液体窒素が存在することは難しい状態です。しかし、過去の冥王星は現在よりもはるかに暖かく、大気圧も高かったと考えられており、その表面には液体窒素が流れたり溜まったりしていた時期があると指摘されています。
ニュー・ホライズンズとは
![NASAの探査機「ニュー・ホライズンズ」を描いた想像図(Credit: NASA/JHUAPL/SwRI)](https://sorae.info/wp-content/uploads/2021/04/new-horizons-artist-impression.jpg)
ニュー・ホライズンズは2006年にNASAによって打ち上げられた宇宙探査機です。2015年7月に史上初めて冥王星と衛星カロンの接近観測を行い、2019年1月には太陽系外縁天体「アロコス」(以前はウルティマトーレの愛称)の観測を実施しています。
また、2021年4月17日には、ニューホライズンズが太陽から50天文単位(約75億km)離れた地点を通過したとNASAから発表がありました。
現在、ニューホライズンズの運用チームは、次に探査する太陽系外縁天体を捜索しています。探査機の原子力電池は2030年代後半まで持つ予定で、今も星間空間に向かって航行しています。
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編集/sorae編集部