【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:ESA-Hubble)

欧州宇宙機関(ESA)は2024年12月12日、ハッブル宇宙望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の公式サイト上で、両望遠鏡が撮影した天体の画像を使用した「2025年版カレンダー」を公開しました。

今回のカレンダーには、宇宙の多彩な魅力を象徴する天体が選ばれています。カバー画像には壮大な銀河の1枚が採用され、12か月分の各ページには、惑星状星雲の繊細な構造や遠方の銀河団など、さまざまなテーマが取り上げられています。

この記事では、このカレンダーに採用された16枚の天体画像(11月分は4枚)を振り返ります。あなたの誕生月には、どのような天体が掲載されているのか、ぜひチェックしてみてください。

なお、2025年版カレンダーは、ESAの該当ページ下部にある「Links」欄から、下記の項目を通じて無料でダウンロードできます。

  • Print-Ready 2025 Calendar File(455MB)
  • High Resolution Digital 2025 Calendar File(96MB)
  • Low Resolution Digital 2025 Calendar File(6MB)

※…リンク先にはデータ容量が表記されていないので、参考に記載しています。

Source
  • Image Credit: ESA/Hubble
  • ESA - Announcement of the 2025 ESA Hubble and Webb Calendar

 

2025年版カレンダーカバー画像:散開星団「NGC106」

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の近赤外線カメラ(NIRCam)と中間赤外線観測装置(MIRI)で観測された散開星団「NGC 602」とその周辺

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の近赤外線カメラ(NIRCam)と中間赤外線観測装置(MIRI)で観測された散開星団「NGC 602」とその周辺です。

(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, P. Zeidler, E. Sabbi, A. Nota, M. Zamani (ESA/Webb))

2025年1月:木星と衛星イオ

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した木星と衛星イオ

ハッブル宇宙望遠鏡が2024年1月6日に撮影した木星の画像。左には衛星イオが写っています。

(Credit: NASA, ESA, J. DePasquale (STScI), A. Simon (NASA-GSFC))

2025年2月:暗黒星雲「馬頭星雲(Horsehead Nebula)」

ユークリッド宇宙望遠鏡(左)、ハッブル宇宙望遠鏡(中央)、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(右)で観測した馬頭星雲の比較画像(Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, image processing by J.-C. Cuillandre (CEA Paris-Saclay), G. Anselmi, NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (AURA/STScI), ESA/Webb, CSA, K. Misselt (University of Arizona) and A. Abergel (IAS/University Paris-Saclay, CNRS), M. Zamani (ESA/Webb))

ユークリッド宇宙望遠鏡(左)、ハッブル宇宙望遠鏡(中央)、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(右)が観測した馬頭星雲の比較画像です。暗黒星雲はガスと塵(ダスト)が高密度に集まっている天体です。向こう側にある天体から放射された可視光線を塵が遮り、地球からはその場所が暗く見えることから“暗黒”星雲と呼ばれています。

(Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, image processing by J.-C. Cuillandre (CEA Paris-Saclay), G. Anselmi, NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (AURA/STScI), ESA/Webb, CSA, K. Misselt (University of Arizona) and A. Abergel (IAS/University Paris-Saclay, CNRS), M. Zamani (ESA/Webb))

2025年3月:相互作用銀河「Arp 107」

相互作用銀河「Arp 107」(渦巻銀河「UGC 5984」と楕円銀河「MCG+05-26-025」)

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)と中間赤外線観測装置(MIRI)で観測された相互作用銀河「Arp 107」です。向かって右の渦巻銀河「UGC 5984」と左の楕円銀河「MCG+05-26-025」は合体の過程にあり、現在観測されている姿から数億年前に衝突したと考えられています。

(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI)

2025年4月:惑星状星雲「M76」

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ34周年記念画像として公開された惑星状星雲「Messier 76(M76)」(Credit: NASA, ESA, STScI, A. Pagan (STScI))

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ34周年記念画像として公開された惑星状星雲「Messier 76(M76)」。「ニュージェネラルカタログ(New General Catalogue)」では、接触した2つの星雲かもしれないと考えられていたことから「NGC 650」「NGC 651」として収録されています。

(Credit: NASA, ESA, STScI, A. Pagan (STScI))

2025年5月:不規則銀河「NGC 5253」

ハッブル宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」と「広視野惑星カメラ2(WFPC2)」で観測された不規則銀河「NGC 5253」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Zezas, D. Calzetti)

ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ(ACS)と広視野惑星カメラ2(WFPC2)で観測された不規則銀河「NGC 5253」です。青い星々に彩られた中心部分を取り囲むように赤色を帯びたガスと塵(ダスト)の雲が広がっている様子が捉えられています。

(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Zezas, D. Calzetti)

2025年6月:銀河団「SPT-CL J0615−5746」

銀河団「SPT-CL J0615−5746」とその周辺

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で観測された銀河団「SPT-CL J0615−5746」とその周辺です。

(Credit:ESA/Webb, NASA & CSA, L. Bradley (STScI), A. Adamo (Stockholm University) and the Cosmic Spring collaboration)

2025年7月:共生星「みずがめ座R星」

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された「みずがめ座R星(R Aquarii)」

ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された「みずがめ座R星(R Aquarii)」です。中央で明るく輝く星、その周囲では上下左右に二重の弧を描いた星雲が広がる複雑な構造が形成されています。

(Credit: NASA, ESA, M. Stute, M. Karovska, D. de Martin & M. Zamani (ESA/Hubble))

2025年8月:星形成領域「NGC 1333」

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線撮像・スリットレス分光器(NIRISS)で観測された星形成領域「NGC 1333](Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Scholz, K. Muzic, A. Langeveld, R. Jayawardhana)

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線撮像・スリットレス分光器(NIRISS)で観測された星形成領域「NGC 1333」です。中央で明るく輝く星、その周囲では上下左右に二重の弧を描いた星雲が広がる複雑な構造が形成されています。

(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Scholz, K. Muzic, A. Langeveld, R. Jayawardhana)

2025年9月:球状星団「オメガ星団」

天の川銀河最大の球状星団「オメガ星団」

ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ(ACS)と広視野カメラ3(WFC3)で観測された球状星団「オメガ星団」です。オメガ星団は、天の川銀河最大の球状星団としてしられており、約1000万個の星々が集まっています。

(Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Häberle (MPIA))

2025年10月:反射星雲「Serpens Nebula」

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で観測された反射星雲「Serpens Nebula」。右上と左下の黒い長方形はデータが欠落している部分(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, K. Pontoppidan (NASA’s Jet Propulsion Laboratory), J. Green (Space Telescope Science Institute))

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で観測された反射星雲「Serpens Nebula」。新たな星が誕生している星形成領域であり、約10万歳の若い星々が密集する星団が存在しています。なお、右上と左下の黒い長方形はデータが欠落している部分です。

(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, K. Pontoppidan (NASA’s Jet Propulsion Laboratory), J. Green (Space Telescope Science Institute))

2025年11月:「NGC 4951」「NGC 3810」「NGC 3783」「M90」

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された棒渦巻銀河「NGC 4951」(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Thilker, M. Zamani (ESA/Hubble))

ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された棒渦巻銀河「NGC 4951」です。

(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Thilker, M. Zamani (ESA/Hubble))

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)と掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「NGC 3810」(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Sand, R. J. Foley)

ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)」と掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「NGC 3810」です。

(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Sand, R. J. Foley)

ケンタウルス座の棒渦巻銀河「NGC 3783」(Credit: ESA/Hubble & NASA, M. C. Bentz, D. J. V. Rosario)

ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で撮影したケンタウルス座の棒渦巻銀河「NGC 3783」です。NGC 3783は、47個の銀河で構成された「NGC 3783銀河群」に属しています。

(Credit: ESA/Hubble & NASA, M. C. Bentz, D. J. V. Rosario)

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された渦巻銀河「Messier 90(M90)」

ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された渦巻銀河「Messier 90(M90)」です。銀河円盤を覆うように広がる赤茶色の煙のようなものは、塵が濃く集まっているところ。その隙間からは若く高温の青い星々からの光が見えています。

(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Thilker, J. Lee and the PHANGS-HST Team)

2025年12月:星団「Westerlund 1」

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の近赤外線カメラ(NIRCam)で観測された星団「ウェスタールンド1(Westerlund 1)」

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の近赤外線カメラ(NIRCam)で観測された星団「ウェスタールンド1(Westerlund 1)」です。ウェスタールンド1には非常に重い恒星が何百個も集まっており、そのなかには明るさが太陽の100万倍近いものや、サイズが太陽の2000倍もあるものが含まれているといいます。

(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, M. Zamani (ESA/Webb), M. G. Guarcello (INAF-OAPA) and the EWOCS team)

 

編集/sorae編集部

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