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アストロスケールとスカパーJSATが戦略的パートナーシップを締結 軌道上サービスの事業化を加速

株式会社アストロスケールホールディングスとスカパーJSAT株式会社は2026年5月19日、軌道上サービス分野を軸とした戦略的パートナーシップの構築に合意したと発表しました。あわせて資本・業務提携を行い、本提携に関連してスカパーJSATを引受先とする第三者割当増資により約8億円を調達する予定です。

軌道上サービスとは、宇宙空間で人工衛星の点検や修理、寿命延長、燃料補給などを行うサービスの総称です。今回の提携では、アストロスケールの軌道上サービス技術と、スカパーJSATが長年培ってきた衛星運用の知見やインフラ基盤を組み合わせ、商業的に成立するサービスの実現を目指すとしています。アストロスケールの岡田光信CEOのコメントでは、静止軌道衛星の寿命延長や燃料補給サービスも、衛星群全体の効率性や運用の柔軟性を高める有力な選択肢として言及されています。

アストロスケールは、軌道上サービスに不可欠なRPO(ランデブー・近傍運用)技術の実証で先行してきました。JAXAの「商業デブリ除去実証(CRD2)」フェーズIとして運用された「ADRAS-J」では、実際のスペースデブリであるH-IIAロケット上段への接近や近距離撮影に成功しており、2026年3月にはADRAS-Jの軌道降下運用も開始しています。

観測対象のスペースデブリである「H-IIA」ロケット15号機の上段に接近する商業デブリ除去衛星「ADRAS-J」の想像図(Credit: Astroscale)
【▲ 観測対象のスペースデブリであるH-IIAロケット15号機の上段に接近する商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」の想像図(Credit: Astroscale)】

スカパーJSATは17機の静止軌道衛星を保有・運用するアジア最大級の衛星通信事業者です。近年はPlanet Labsとの協業による地球観測衛星コンステレーションの構築や、NASAの有人月周回ミッション「アルテミスII」の地上局運用への参加など、通信・放送にとどまらない事業の多角化を進めています。

静止軌道衛星は通信・放送インフラとして不可欠ですが、推進剤の枯渇によって運用寿命が制限されるという課題があります。米国ではNorthrop Grumman(ノースロップ・グラマン)のMEV(Mission Extension Vehicle)による寿命延長サービスがすでに実用化されており、静止軌道上で商業衛星とのドッキング実績を重ねています。日本発の技術と運用ノウハウを持つ両社が、この成長分野でどのような展開を見せるか注目されます。

 

文・編集/sorae編集部

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参考文献・出典