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こちらは、火星のサバエア大陸(Terra Sabaea)の北部に位置する、コロエ地溝帯(Coloe Fossae)の北側付近の様子。

ESA=ヨーロッパ宇宙機関の火星探査機「Mars Express(マーズ・エクスプレス)」の高解像度ステレオカメラ「HRSC」で、2024年10月19日に取得したデータを使って作成された画像です。

火星探査機「Mars Express」の高解像度ステレオカメラ「HRSC」で取得したデータを使って作成されたコロエ地溝帯(Coloe Fossae)の画像(Credit: ESA/DLR/FU Berlin; Edit: sorae編集部(回転処理))
【▲ 火星探査機「Mars Express」の高解像度ステレオカメラ「HRSC」で取得したデータを使って作成されたコロエ地溝帯(Coloe Fossae)の画像(Credit: ESA/DLR/FU Berlin; Edit: sorae編集部(回転処理))】

谷底の平地に氷河期の痕跡が残る

幾筋もの深い谷に、散在する大小のクレーター。他の多くの地域と同様に荒涼とした火星の大地が広がるコロエ地溝帯ですが、ここには氷河期の痕跡がみられるといいます。

ESAによると、火星は自転軸の傾きが大きく変化しています。過去1000万年では15度から45度の間で変化してきたといい、温暖期と寒冷期を交互に繰り返してきたと考えられています。

そのため、寒冷期には火星の両極を覆う氷が拡大し、北緯40度付近の中緯度にあるコロエ地溝帯にも達していたとみられています。

火星探査機「Mars Express」の高解像度ステレオカメラ「HRSC」で取得したデータを使って作成されたコロエ地溝帯(Coloe Fossae)の鳥瞰図(Credit: ESA/DLR/FU Berlin)
【▲ 火星探査機「Mars Express」の高解像度ステレオカメラ「HRSC」で取得したデータを使って作成されたコロエ地溝帯(Coloe Fossae)の鳥瞰図(Credit: ESA/DLR/FU Berlin)】

次に掲載したのは、冒頭の画像上部のエリアを鳥瞰図で示したもの。急峻な尾根の周囲には崖が連なっていますが、斜面から平地にかけての地表には、何かが流れたような模様が広がっているのがわかります。

この模様は、氷河が流れた跡とされています。痕跡が残る平地にはクレーターがみられないことから、クレーターが点在する高地と比べて、平地の表面はずっと新しいこともわかります。

ESAによれば、コロエ地溝帯は火星で最後の氷河期が終わった約50万年前まで氷に覆われていた可能性があります。火星の同じ緯度帯では谷やクレーターが一貫して堆積物に埋め立てられていることから、火星全体で気候が変化したことが示唆されるということです。

Mars Expressが観測したコロエ地溝帯の画像は、ESAから2025年11月12日付で公開されています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典