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こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した輝線星雲「NGC 281」のクローズアップ。カシオペヤ座の方向、地球から約9500光年先にあります。

ハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡が観測した輝線星雲「NGC 281」のクローズアップ(Credit: NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: P. McCullough (STScI))
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が観測した輝線星雲「NGC 281」のクローズアップ(Credit: NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: P. McCullough (STScI))】

輝線星雲は、高温の星が放つ紫外線などによって電離したガスが光を放っている星雲です。

NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、画像の上方向の視野外には、若い星々の集まりである散開星団「IC 1590」の中心部があります。密集する高温の大質量星が放つ紫外線によって周囲の水素ガスが電離することで、まるで夕焼け空のように視野全体が赤く輝いて見えるといいます。

黒いシルエットの正体は…

画像では赤々とした輝きを背景に、黒い雲のような塊が幾つか連なっています。これはガスと塵(ダスト)が濃く集まった「ボック・グロビュール(Bok globule)」と呼ばれる構造です。

ボック・グロビュールは孤立した暗黒星雲で、1940年代にその存在を提唱した天文学者のBart Bok氏にちなんで名付けられました。塵には可視光線を通しにくい性質があるため、ガスが放つ背後からの光をさえぎるシルエットとして見えています。

星が生まれる前に崩れつつある?

NASAによると、Bok氏は、数百光年規模の巨大な分子雲(低温のガスと塵が集まってできた雲)が乱されることで、ガスと塵が濃く集まった小さな塊が形成されると考えました。

この塊は自らの重力でまとまり、周囲からガスと塵をさらに集めていきます。十分な量の物質を集めることができれば、その中心部では新たな星が誕生する可能性があります。

ただし、すべてのボック・グロビュールが星を生み出すとは限りません。収縮して星を形成する前に、消散してしまうものもあるからです。

NGC 281のボック・グロビュールは、IC 1590の中心のすぐ近くにあります。ハッブル宇宙望遠鏡は、その外側から引きはがされているかのようなギザギザとした輪郭を捉えました。NASAによると、NGC 281でもボック・グロビュールの消散が進行している可能性があるといいます。

一見穏やかそうに見えるNGC 281のボック・グロビュールは、これから新たな星が生まれるかもしれない領域に対して、すでに生まれた若い星々が及ぼす強い影響を物語っていると言えそうです。

冒頭の画像はNASAから2006年4月4日付で公開されたもので、NASAのハッブル宇宙望遠鏡公式Xアカウントが2026年10月20日に改めて紹介しています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典