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蝶のような姿をした“おうし座”の若い星 ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測

こちらは、おうし座の方向・約525光年先の若い星「IRAS 04302+2247」(以下「IRAS 04302」)の様子です。

扇形の星雲が左右に広がるその様子を蝶の翅(はね)にたとえた、「Butterfly Star(バタフライスター)」というニックネームで呼ばれることもあります。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が観測した若い星「IRAS 04302+2247」(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, M. Villenave et al.)
【▲ ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が観測した若い星「IRAS 04302+2247」(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, M. Villenave et al.)】

“翅”にあたる部分は、円盤の上下に広がる塵(ダスト)がIRAS 04302からの光を反射して輝く反射星雲。その間にある暗い直線状の構造は、ガスと塵が集まった原始惑星系円盤です。

地球はIRAS 04302を取り囲む原始惑星系円盤を横から見る位置関係にあるため、IRAS 04302からの光をさえぎる塵の豊富な円盤が、まるで直線状の影のように見えているのです。円盤の直径は約650億km(約430天文単位)で、海王星の公転軌道の約7倍もの大きさがあります。

ESA=ヨーロッパ宇宙機関によると、若い星の周囲にある塵はやがて原始惑星系円盤のなかで薄く高密度な層を形成して、惑星の形成を促します。原始惑星系円盤はさまざまな若い星で観測されていますが、横から見える場合に調べられる円盤の厚さは、塵が移動して層を形成するプロセスの効率を示す指標として利用できます。

この画像は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の「近赤外線カメラ(NIRCam)」と「中間赤外線観測装置(MIRI)」、それにハッブル宇宙望遠鏡(HST)に搭載されていた「広視野惑星カメラ2(WFPC2)」で取得したデータを使って作成されました。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によるIRAS 04302の観測は、原始惑星系円盤内での塵の進化を理解するために、地球から横向きに見える4つの原始惑星系円盤を調査する取り組みの一環として実施されたということです。

冒頭の画像は“ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の今月の画像”として、ESAから2025年8月29日付で公開されています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典