アラスカのフェアバンクスの北にあるポーカーフラットリサーチレンジにて2017年2月16日の夜に観測されたオーロラの画像(Credit: NASA/Terry Zaperach)

【▲ アラスカのフェアバンクスの北にあるポーカーフラットリサーチレンジにて2017年2月16日の夜に観測されたオーロラの画像(Credit: NASA/Terry Zaperach)】

NASAは6月8日、NASAによって、一部、資金の提供を受けたアイオワ大学の研究チームが謎の多いオーロラの発生メカニズムの一端を解明したと発表しました。

■今回解明されたオーロラの謎とは?

オーロラは、地球磁気圏の夜側に溜まった太陽風に由来する荷電粒子、特に電子、が何らかのメカニズムで加速され、地球の大気に衝突することで発生します。

しかし、これまで、この電子が加速されるメカニズムについては、NASAのMMS衛星群、Polar、FAST(Polar、FASTはすでに運用終了)などの人工衛星による観測から、アルベーン波によるものであることが示唆されていましたが、人工衛星による測定の限界から、確証は得られていませんでした。

■アルベーン波による電子の加速を実験的に立証

アルベーン波による電子の加速を解りやすく解説したイラスト(Credit: the University of Iowa Illustration by Austin Montelius.)

【▲ アルベーン波による電子の加速を解りやすく解説したイラスト(Credit: the University of Iowa Illustration by Austin Montelius.)】

物質は温度が高くなるにつれて固体→液体→気体→プラズマと状態を変えていきますが、個体、液体、気体と同じようにプラズマの中もさまざまな波が伝わっていきます。アルベーン波もそのようなプラズマの中を伝わっていく波の1種です。磁場が存在する場合にプラズマの中を磁力線に沿って伝わっていきます。

研究チームは、カリフォルニア大学の大型プラズマ装置(Large Plasma Device)を使って、コントロールされたプラズマ環境下においてアルベーン波により電子がどのように影響を受けるのか、精密に調べ、オーロラを発生させる地球磁気圏と同じ条件下でアルベーン波によって電子が加速される物理的なメカニズムを実験的に立証しました。

NASAによれば、そのメカニズムはサーフィンのようなものだといいます。サーファーが波に乗り加速していくように、電子も、アルベーン波に乗り、アルベーン波からエネルギーを得ることで、加速していくといいます。

NASAでは、これからも地球周辺における宇宙空間の探査を進めていく予定ですが、今回の研究成果は、この領域における物理モデルを改善し、また、よりよい観測装置を開発することを助けるだろうとしています。

 

Image Credit: NASA/Terry Zaperach/the University of Iowa Illustration by Austin Montelius.
Source: NASAアイオワ大学
文/飯銅重幸

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