「NASA Scientist Simulates Kaleidoscope of Sunsets on Other Worlds」より(Credit: Geronimo Villanueva/James Tralie/NASA’s Goddard Space Flight Center)

地球以外の天体では月にしか訪れたことがない人類は、大気を持つ他の惑星や衛星における夕暮れ時の空を直接目にしたことはありません。火星の日没が大気中の塵による光の散乱で青っぽく見えることは探査機が撮影した画像から判明していますが、もしも他の惑星や太陽系外惑星に行くことができたら、夕暮れ時にはどのような空が見られるのでしょうか。

■太陽系の5つの惑星・衛星と系外惑星1つの日没を再現

こちらはNASAの惑星科学者Geronimo Villanueva氏(ゴダード宇宙飛行センター)によって作成された、日没時の空のシミュレーション動画。将来の天王星探査ミッションに備えてVillanueva氏が用意したモデリングツールを検証するために作成されました。動画では以下の6つの天体(地球については天候別に3パターン)について、大気組成などの情報をもとに日没時の空の変化が再現されています。

地球:快晴の空(EARTH(CLEAR))
地球:かすみがかった空(EARTH(HAZE))
地球:曇り空(EARTH(OVERCAST))
火星(MARS)
金星(VENUS)
天王星(URANUS)
TRAPPIST-1e(みずがめ座の方向およそ40光年先の系外惑星)
タイタン(TITAN、土星の衛星)

動画では太陽(TRAPPIST-1eの場合は主星のTRAPPIST-1)そのものは表示されていないため、実際の日没時の空とは印象が異なります。たとえば快晴の地球を見てみると、画面の下のほうが夕焼けで赤く染まりながら全体が暗くなっていくという、空の変化だけが再現されていることがわかります。

かすみがかった空や曇り空の地球では光の散乱によって太陽の沈む方向がわかりますが、厚い雲に覆われている金星やタイタンではどの方向の空も同じように暗くなっていく様子が再現されています。また、快晴の地球を思わせる青い空をした天王星では、太陽が沈むにつれて空の低いところが地球の夕焼けのようにオレンジがかった色に変化していきます。

気温が摂氏約480度、気圧が約90気圧と過酷な金星の地表や、地球からおよそ40光年離れたTRAPPIST-1eに人類が降り立つのは(少なくとも今の時点では)ほとんど不可能に思えますが、2030年代の有人探査が計画されている火星や、あるいは土星の衛星タイタンであれば、将来の世代が夕暮れ時の空をその目で見られる日がやってくるかもしれません。

 

Image Credit: Geronimo Villanueva/James Tralie/NASA’s Goddard Space Flight Center
Source: NASA
文/松村武宏

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