16日に発生した、プロトンM/ブリーズMロケットの打ち上げ失敗について、ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は同日中に出した声名の中で、ロケットから送られてきていたデータを分析した結果、当初の報道通り、ロケットの第3段に問題が起きたことが確認されたと発表した。ロケットの第3段は高度160kmで破壊されたとされ、その時点で速度は7km/s出ており、第一宇宙速度まであと一歩であった。またその後、ロケットは大気圏に再突入し、部品や推進剤は燃え尽きたとされる。

この事故は16日の6時42分(日本時間)、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から飛び立ったプロトンM/ブリーズMロケットが打ち上げに失敗、搭載していたロシアの通信衛星エクスプレースAM4Rを軌道に投入することができなかったというものだ。

またロスコスモスのオスターペンコ長官はイタル・タス通信に対し、第3段に4基装備されているヴァーニア・エンジンのうち、1基の圧力が低下していたと明かした。このヴェーニア・エンジンはRD-0214と呼ばれるもので、ノズルは4基あるが、エンジンとしては1基として数えられる。プロトンの第3段はメイン・エンジンとしてRD-0212を持ち、その周囲に、ステアリング・エンジン(舵を取るエンジン)としてRD-0214がある。

またインタファクス通信に対しては、「詳細は不明だが、第3段で問題が起きたのは明らかだ」と述べている。

さらにイタル・タス通信は、匿名の関係者の証言として、ロケットのフェアリングの分離に失敗していたと報じている。フェアリングはロケットに載っている衛星を大気から保護するためのもので、ある程度の高度になり、大気がほとんど無くなれば分離、廃棄される。プロトンの場合は離昇から348.2秒後、第3段の燃焼中に分離される。ヴァーニア・エンジンの故障との因果関係は不明だ。

ちなみに、もし仮にヴァーニア・エンジンが故障していなかったとしても、フェアリングが分離できないとロケットは余計な重りを抱えることになるため、正常に飛行を続けることができず、また内部の衛星も分離できないため、打ち上げは失敗に終わることになる。

 

■Продолжает работу комиссия по расследованию причин аварийной ситуации
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