ノーボスチ・ロシア通信社は5月30日、ロシア航空宇宙防衛軍が6月8日に、ソユーズ2.1bロケットを使い、プレセツク宇宙基地から偵察衛星ピルソーナの2号機の打ち上げを予定していると報じた。
ピルソーナはロシア軍の新世代の偵察衛星で、2000年に開発が決定され、ソユーズロケットや偵察衛星などの製造を手掛けているTsSKBプログレス社を中心に開発が行われた。詳しい性能は明かされていないが、高性能な光学センサーを搭載し、高度750kmから分解能50cmを達成しているといわれている。2008年7月26日に1号機が打ち上げられ、8月には衛星から画像の取得にも成功したものの、9月ごろに電気系統の故障によって運用を終えたか、あるいは少なくとも地表の観測はできなくなったと伝えられている。
その原因は放射線への耐性がない、あるいは確認されていない、安価な輸入品を使ったためであるとされており、続く2号機では大幅な改良が施されることになった。しかし資金難や民間向けの地球観測衛星レスルスPの開発との兼ね合いから遅れに遅れ、つい最近まで打ち上げの見通しが立たない状況であった。
TsSKBプログレス社は長年、ソビエト・ロシアにおける偵察衛星や地球観測衛星の開発のメッカとして君臨し続けていたが、先ごろはNPOラーヴォチキン社がロシア軍の新しい偵察衛星アラークスRの開発契約を勝ち取ったことが報じられ、またNPOマシノストロィエニヤ社も輸出をも睨んだ民間向けの地球観測衛星コンドルの開発を行っており、ピルソーナの2号機はまさにTsSKBプログレス社の社運を賭けたものになる。
■Минобороны 8 июня запустит спутник с Плесецка | РИА Новости
http://ria.ru/science/20130530/940431768.html