アメリカ航空宇宙局(NASA)は2月20日、火星探査車「マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)=キュリオシティ」が火星の岩石内部のサンプルを採取し、その画像を受信したと発表した。

発表によると、「キュリオシティ」は2月8日、振動ドリルを使って火星の岩石「ジョン・クライン」を本格的に掘削し、約6.4センチの穴をあけ、その後、スコープを使って内部の粉末サンプルを採取したという。地球以外の惑星で、岩石内部の粉末サンプルを採取したのは初めてで、この画像は2月20日に受信した。

掘削対象に選ばれた「ジョン・クライン」は平坦な岩石で、浅い盆地「イエローナイフ湾」の内部に存在している。これまでの分析によれば、この岩石には様々な粒子が存在し、水の存在を示す証拠があるかもしれない。

「キュリオシティ」は今後、採取したの粉末サンプルをふるいにかけて分析する予定。

「キュリオシティ」は2011年11月に打ち上げられ、2012年8月に火星に着陸した。従来の火星探査車よりも大きく、計10種類の観測装置を搭載し、広範囲にわたっての探査活動ができる。また、太陽電池ではなく、原子力電池を用いることで、季節や砂塵の影響を受けずに活動することも可能だ。

 

■NASA Rover Confirms First Drilled Mars Rock Sample
http://www.nasa.gov/mission_pages/msl/news/msl20130220b.html