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【▲ 国際宇宙ステーションとのドッキングを解除したプログレスMS-21補給船(Credit: Roscosmos)】

2023年2月18日11時26分(日本時間・以下特記なき限り同様)、国際宇宙ステーション(ISS)の「ポイスク」モジュールに係留されていたロシアの補給船「プログレスMS-21」がドッキングを解除し、ISSを離脱しました。同補給船は翌2月19日12時15分に軌道離脱噴射を行い、予定通り太平洋上で大気圏に再突入してミッションを終えています。

無人のプログレスMS-21は2022年10月26日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、2日後の10月28日にISSとのドッキングに成功。ISSに係留中の2023年2月11日には、熱制御システムから冷却材が漏洩するトラブルが発生していました。

同様のトラブルはその2か月ほど前の2022年12月15日、ISSの「ラスヴェット」モジュールに係留中の宇宙船「ソユーズMS-22」でも発生したばかりでした。ロボットアームのカメラを使用した調査が行われた結果、冷却材はソユーズ宇宙船の後部にある機器/推進モジュール(エンジンや太陽電池アレイがある部分)外装のラジエーター配管に生じた穴から漏れ出したとみられています。

関連:ISSに係留中のロシア補給船で冷却材が漏洩 昨年のソユーズ宇宙船と同様のトラブルか(2023年2月12日)

【▲ 国際宇宙ステーションからの分離後に外装の確認を受けるプログレスMS-21補給船(動画)】
(Credit: Roscosmos)

プログレスMS-21でもロボットアームによる調査を行ったロスコスモスは、同補給船を2023年2月18日11時26分にISSから分離させ、同日13時3分に軌道離脱噴射を行うことを2月17日までに決定していました。

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2月18日のドッキング解除後、ロスコスモスのセルゲイ・プロコピエフ(Sergey Prokopiev)宇宙飛行士とドミトリー・ペテリン(Dmitry Petelin)宇宙飛行士がISS船内からプログレスMS-21を遠隔で操作し、同補給船の姿勢を変えながら外装の確認を行いましたが、この時は視覚的に確認できる損傷は認められませんでした。報告を受けたロスコスモスは軌道離脱噴射の実施を一旦延期し、トラブルの原因をより詳しく調査するためにプログレスMS-21をISSに再ドッキングさせることも検討しましたが、このまま大気圏に再突入させることを改めて決定。前述の通り、同補給船は2月19日に太平洋上で大気圏に再突入してミッションを終えました。燃え残った部分は南太平洋に落下したとみられています。

【▲ 2023年2月21日にロスコスモスが公開したプログレスMS-21補給船の画像。外装に生じた穴らしきものが写っている(Credit: Roscosmos)】
【▲ 2023年2月21日にロスコスモスが公開したプログレスMS-21補給船の画像。外装に生じた穴らしきものが写っている(Credit: Roscosmos)】

ミッション終了後の2023年2月21日、ロスコスモスはISSから撮影されたプログレスMS-21の画像と動画を公開しました。画像にはラジエーターに生じた直径約12mmとされる穴らしきものが写っています。

ロスコスモスは2月14日にもソユーズMS-22(2022年12月にトラブル発生)の画像を公開しており、ラジエーターに生じた直径約0.8mmとされる穴と、穴の周辺の変色を確認することができます。これまでにロスコスモスはソユーズMS-22の冷却材漏洩が微小隕石の衝突によって発生した可能性に言及していましたが、今回プログレスMS-21でも外装の損傷が確認されたことを受けて、改めて外部からの衝突が原因となった可能性に言及しています。

【▲ 2023年2月21日にロスコスモスが公開した動画】
(Credit: Roscosmos)

その一方で、ソユーズ宇宙船とそれをもとに開発されたプログレス補給船には共通点が多く、ソユーズMS-22とプログレスMS-21でそれぞれ確認された穴はラジエーター上のかなり近い位置に生じていることから、微小隕石やスペースデブリ(宇宙ゴミ)の衝突とは別の原因によって冷却材の漏洩が引き起こされた可能性も残されています。

ロスコスモスによると、ソユーズ宇宙船やプログレス補給船を製造するRSCエネルギアでは製造上の欠陥によって引き起こされた可能性を除外するために過去15年間に作成された熱制御システムに関する情報の確認がすでに行われており、損傷をシミュレートするための実験も計画されているということです。

【▲ 2023年2月14日にロスコスモスが公開したソユーズMS-22宇宙船の損傷部分の画像(Credit: Roscosmos)】
【▲ 2023年2月14日にロスコスモスが公開したソユーズMS-22宇宙船の損傷部分の画像(Credit: Roscosmos)】

関連:ロシアの宇宙船「ソユーズMS-22」損傷箇所の画像をロスコスモスが公開 2022年12月に冷却材が漏洩(2023年2月15日)

なお、プログレスMS-21のトラブルを受けて延期されていた宇宙船「ソユーズMS-23」の打ち上げは、日本時間2023年2月24日9時24分に実施される見込みです。ソユーズMS-23は3名の宇宙飛行士を乗せて2023年3月16日に打ち上げられる予定でしたが、冷却材が漏洩したソユーズMS-22をクルーの帰還には使用しないことになったため、代わりの宇宙船として無人で打ち上げられることがすでに決まっていました。

関連:冷却材が漏れたロシアの宇宙船「ソユーズMS-22」クルーの帰還に使用しないことが決定(2023年1月12日)

【▲ ソユーズ2.1aロケットのフェアリングに格納されるソユーズMS-23宇宙船(Credit: Roscosmos/Ivan Timoshenko)】
【▲ ソユーズ2.1aロケットのフェアリングに格納されるソユーズMS-23宇宙船(Credit: Roscosmos/Ivan Timoshenko)】

 

Source

  • Image Credit: Roscosmos, Ivan Timoshenko
  • NASA – Space Station (NASA Blogs)
  • Roscosmos (Telegram)

文/sorae編集部

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