JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2月6日、宇宙ステーション補給機「こうのとり6号機(HTV6)」によって行われたスペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去実証実験「KITE」の結果を報告し、導電性テザーの伸展には失敗、しかし電流を流す原理を確認には成功したことを発表しました。
この実験は、こうのとり6号機から700メートル級のワイヤー「導電性テザー」を展開して電流を流すというもの。このワイヤーには電流によってローレンツ力が発生し、将来的にはスペースデブリを減速させ大気圏内に落下させるために役立つことが期待されています。また、JAXAは2020年代半ばまでの同技術の実用化を目指しているのです。
今回の実験では、導電性テザーの放出機構の不具合により伸展は行なえませんでした。しかし
電界放出型電子源からの電子の放出機能と、電圧を自律的に制御する実験は行えたことから、JAXAは今回のデータを詳細に分析したいとしています。
なお、こうのとり6号機は2月5日の23時42分(日本時間)に軌道離脱マヌーバを実施し、大気圏に再突入しています。宇宙飛行士への物資輸送からリチウムイオンバッテリー、超小型衛星放出機構(J-SSOD)、そして超小型衛星を運搬するなど大活躍した同補給機に、お疲れさまといってあげたいですね。
Image Credit: NASA
■宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機(HTV6)のミッション完了について
http://www.jaxa.jp/press/2017/02/20170206_kounotori6_j.html
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