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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

こちらは、NASAの惑星探査機「ボイジャー2号(Voyager 2)」が1981年8月28日に撮影した土星です。土星への最接近を終えたボイジャー2号が、土星系を離れながら約340万kmの距離から振り返って捉えた1枚です。

画像では、太陽光に照らされた土星の一部が明るく輝く一方で、夜側は暗闇に沈んでいます。環には土星本体が落とす大きな影が伸びており、地球から眺めるのとは異なる土星の姿が写し出されています。

土星系を離れつつあったボイジャー2号が約340万kmの距離から撮影した土星(Credit: NASA/JPL)
【▲ 土星系を離れつつあったボイジャー2号が約340万kmの距離から撮影した土星(Credit: NASA/JPL)】

ボイジャー2号が土星に最接近したのは、日本時間1981年8月26日12時24分ごろ。探査機は土星の中心から約16万1000km、雲頂からは約4万1000kmの距離を通過しました。この最接近から、2026年8月26日で45年になります。

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5時間半で駆け抜けた土星系

この日のボイジャー2号は、あらかじめ設定された飛行経路に沿って土星系を通過し、土星本体だけでなく複数の衛星にも次々と接近していきました。

日本時間10時04分にディオネ、11時22分にカリプソ、11時24分にミマスと立て続けに最接近。12時19分には土星のF環の外側を公転する羊飼い衛星パンドラに迫り、その5分後の12時24分、土星本体へ最も近づきます。

通過後も接近は続き、12時33分にアトラス、12時45分にエンケラドゥス、12時50分にヤヌス、13時05分にエピメテウス、15時02分にテレスト、15時12分にテティス、15時28分にレア。ディオネからレアまで、わずか5時間半ほどの間の出来事でした。

ボイジャーが残した謎とエンケラドゥス探査

ボイジャー2号が1981年8月26日に約10万9000kmの距離から撮影したエンケラドゥス。比較的滑らかな地形と、クレーターが多く残る地形が確認できる(Credit: NASA/JPL/Ted Stryk)
【▲ ボイジャー2号が1981年8月26日に約10万9000kmの距離から撮影したエンケラドゥス。比較的滑らかな地形と、クレーターが多く残る地形が確認できる(Credit: NASA/JPL/Ted Stryk)】

ボイジャー2号が撮影したエンケラドゥスには、クレーターが少ない滑らかな地形が写っていました。直径わずか約500kmの氷の衛星は、本来なら早くに冷えて固まっているはずです。それにもかかわらず、比較的最近まで地質活動が続いていた可能性があります。しかも、先に土星へ到達していたボイジャー1号は、エンケラドゥスの軌道が土星のE環の最も濃い領域と重なっていることを見つけていました。この小さな衛星が、環に物質を供給しているのではないかという疑問も生まれました。ただ、その活動の正体を確かめる手立ては、当時ありませんでした。

答えが出たのは24年後です。2005年、土星探査機「カッシーニ」がエンケラドゥスの南極付近から水蒸気や氷の粒が噴き出していることを発見。その後の観測から、氷の地殻の下に液体の海が広がっていることも明らかになりました。

こうした発見を受け、現在ESA(ヨーロッパ宇宙機関)は、科学探査における4番目の大型(Lクラス)ミッション「L4」として、エンケラドゥスを探査する計画を検討しています。ESAは2021年に次の大型ミッションのテーマとして「巨大惑星の衛星」を選び、2024年にはエンケラドゥスを最有力の目標として発表。L4は、ESAの長期計画「Voyage 2050」における最初のフラッグシップミッションという位置付けです。

この計画では、周回機がエンケラドゥスから噴き出すプルーム(水蒸気や氷の柱)を通過して成分を分析。さらに、着陸機を氷の表面へ降ろし、生命誕生前の化学反応に関わる分子や生命の痕跡を探る構想です。周回機は土星の他の衛星にも接近し、生命が存在できる環境が成立する条件を調べる計画で、打ち上げは2042年が想定されています。

ボイジャー2号が捉えた滑らかな地形の謎は、長い時を経て、エンケラドゥスに生命が存在し得るのかを直接探る計画へとつながろうとしています。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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