
(引用元:NASA)
月面と聞いて思い浮かべる色は、やはり「灰色(グレー)」ではないでしょうか。 私たちが見上げる夜空の月も、アポロ計画で撮影された数々の写真も、そこは岩石とレゴリス(砂)が広がる色のない世界という印象です。
ところが、今から半世紀以上前、アポロ計画最後の「アポロ17号」の探査中、その灰色の世界に色の付いた月の土が見つかりました。
- Image Credit: NASA/JSC (Apollo 17, AS17-137-20990)
- apollojournals - Orange Soil

1972年12月、アポロ17号のユージン・サーナン船長と、地質学者でもあるハリソン(ジャック)・シュミット飛行士は、月面車で「タウルス・リトロウ渓谷」を探査していました。ショート・クレーター(Shorty Crater)の縁に差し掛かったとき、シュミット飛行士は通信越しに、なにやら興奮した様子で報告します。
「オレンジ色の土がある!(There is orange soil!)」
当初は見間違いかとも思われましたが、近づいて確認するとそれは紛れもなくオレンジ色だったといいます。暗い縁取りが目立つクレーターとして注目されていたため、「火山活動の痕跡ではないか?」とみられていました。
オレンジ色の土の正体は…
その後、地球へ持ち帰られた試料の解析で正体が判明します。代表的な「サンプル74220」は、爆発的な火山噴出で生じた微小なガラス粒(火山性ガラス)を多く含む堆積物でした。年代は約35〜36億年前のものとされ、月が早い時代に噴泉のように溶岩を噴き上げ、飛び散ったしぶきが真空中で急冷されてガラス粒になったものだと考えられています。
オレンジ色のガラス粒は、月の内部から噴き出したマグマの性質や、初期の月で起きた爆発的火山活動の規模を探る手がかりになります。半世紀以上たった今も研究対象であり、再び人類が月面に立つ時代が来ている今、同種の火山ガラス堆積物は現地で詳しく調べることができるターゲットのひとつになるかもしれません。
編集/sorae編集部
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