【SAPOD】今日の「宇宙画像」紹介です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:NASA)
こちらは「や座」の方向およそ1万5000光年先に位置している惑星状星雲「PN G054.2-03.4」こと「ネックレス星雲(Necklace Nebula)」です。soraeでは、2021年2月19日の記事でネックレス星雲の別の画像を紹介しています。
Source
- Image Credit: ESA/Hubble & NASA, K. Noll
- NASA - Hubble Views a Dazzling Cosmic Necklace
ネックレス星雲の中心にある星は連星で、約1.2日の周期で互いに数百万キロメートルの距離を保ちながら公転しているとされています。連星の一方が赤色巨星へと進化した際、もう一方の星が一時的にその外層に飲み込まれたと考えられています。飲み込まれた側の星が赤色巨星の内部を公転し続けた結果、赤色巨星の自転速度が加速され、放出されたガスが赤色巨星の赤道方向に沿って広がったため、リング状の星雲が形成されたと考えられています。
惑星状星雲とは
超新星爆発を起こさない太陽のような比較的軽い恒星(質量が太陽の8倍以下)が晩年を迎えると、赤色巨星へと進化し、周囲にガスや塵を放出します。やがて赤色巨星から白色矮星へと進化する過程で、熱い中心星が放射する紫外線によってガスが電離し輝くようになった天体は、昔の望遠鏡で観測すると惑星のように見えたことから「惑星状星雲」と呼ばれています。
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編集/sorae編集部