
(引用元:NASA)
今回紹介するのは、2018年に火星で発生した全球ダストストーム(惑星規模の砂嵐)の前後を比較した画像です。
左側は、この全球ダストストームに発展する前の2018年5月28日頃の火星、右側はダストストームが火星全体を覆い尽くした同年7月1日の火星で、どちらもNASAの火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO:Mars Reconnaissance Orbiter)」に搭載されたカメラ「Mars Color Imager(MARCI)」が撮影した全球画像をもとに作成されています。
- Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS
- NASA - Mars Before and After Dust Storm

5月28日頃には、太陽系最大級の谷「マリネリス峡谷」をはじめとする地表の模様や、南極付近の極冠がはっきりと確認できます。いっぽう、全球ダストストームの最中にあたる7月1日の火星では、同じ領域を見ているにもかかわらず、惑星全体が黄土色の“かすみ”に覆われ、細かな地形はほとんど見えなくなってしまっています。
この全球ダストストームは、2018年5月末に局所的な砂嵐として発生したあと急速に成長し、6月には火星全体を巻き込む規模へと発展しました。この影響で、十分な日光が届かなくなった火星探査車「オポチュニティ」は、同年6月10日を最後に通信が途絶え、2019年2月にミッションの終了が宣言されています。
火星では毎年、小規模な砂嵐があちこちで発生しますが、惑星全体を覆い尽くす全球ダストストームにまで成長するのは、数年に一度とされています。観測によると、こうした惑星規模の嵐は平均すると3〜4火星年(地球時間に換算すると6〜8年)に1回ほどの頻度で起きると考えられており、2018年の事例は火星の大気や気候を理解するうえで、きわめて貴重な“自然実験”となりました。
編集/sorae編集部
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