(引用元:NASA)
今から20年前の日本時間2005年1月14日、土星探査ミッション「カッシーニ・ホイヘンス(Cassini-Huygens)」における着陸機「ホイヘンス(Huygens)」が、人類史上初めて土星の衛星タイタンへの着陸を成功させました。今回は、ホイヘンスについて振り返ります。
※…以下、全て日本時間で表記しています。
ホイヘンスは、アメリカ航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)、そしてイタリア宇宙機関(ASI)が協力して進めた国際共同ミッション「カッシーニ・ホイヘンス」探査計画の一環として開発されました。主な目的は、土星最大の衛星タイタンの大気や地表を詳細に調査し、その環境や組成を明らかにすることでした。
1997年、ホイヘンスはカッシーニ探査機とともに、ケープカナベラル空軍基地(当時)からタイタン IV-Bロケットで打ち上げられ、7年後の2004年7月1日にカッシーニは土星を周回する軌道への投入に成功します。同年12月25日にホイヘンスはカッシーニから分離され、2005年1月14日にタイタンの大気圏に突入しました。ホイヘンスはパラシュートを展開してゆっくりと降下し、ついにタイタン表面へ軟着陸することに成功しました。
以下の動画は、ホイヘンスが取得したタイタン表面への着陸過程を記録した147分間のデータをもとに作成されたものです。厚い大気層を抜けて明らかになった地形や着陸地点の様子など、未知であったタイタンの姿を映し出す貴重な映像資料となっています。
ホイヘンスの探査によって、タイタンにはメタンやエタンの湖が存在することが判明し、水が循環する地球のように炭化水素が循環する世界であることが明らかになりました。これらの発見は、生命の起源や有機化学の研究において、重要な貢献を果たしました。
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文/sorae編集部