
(引用元:NASA)
今回紹介するのは、ペガスス座の方向約153光年先に位置する太陽に似た恒星「HD 209458」と、そのすぐそばを回る系外惑星「HD 209458b」を描いた想像図で、近くにある別の天体の地表から眺めたという設定で描かれています。この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡による観測成果として、2010年7月15日に公開されました。

画像の中央で強い光を放っているのが恒星HD 209458、中央左側の小さい天体が系外惑星HD 209458bです。HD 209458bの大気は恒星に熱せられて宇宙空間へ流れ出し、恒星から吹きつける風に流されて、彗星の尾のように後方へ長く伸びています。
HD 209458bは木星よりもわずかに軽いガス惑星ですが、恒星との距離は木星と太陽の距離の約100分の1しかなく、わずか3.5日で1周します。大気の温度は約1100℃に達しています。
この惑星は、主星の手前を横切る「トランジット」が初めて確認された系外惑星としても知られています。惑星本体だけなら恒星の明るさは1.5パーセント暗くなるだけですが、膨らんだ大気まで含めると減光は8パーセントに達します。それだけ大気が広がっているということです。
研究チームは、2009年にハッブルへ取り付けられた分光装置「宇宙起源分光器(COS)」を使い、2009年9月から10月にかけてトランジット中の紫外線を分析しました。その結果、高温の大気中から炭素やケイ素といった重い元素が検出され、恒星の熱が大気全体を温めて、重い元素まで運び去っていることが分かりました。さらに、地球の方向へ時速約3万5000kmで流れるガスも捉えられています。
大気が流出し続けているとはいえ、HD 209458bがすぐに消失してしまうわけではありません。当時の研究チームは、大気が失われて惑星が蒸発しきるまでには、およそ1兆年かかると推定しました。これは宇宙の年齢(約138億年)の70倍以上に相当します。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - Superhot Planet Likely Possesses Comet-like Tail
- NASA - Artist's Concept of Exoplanet with Comet-like Tail










