
(引用元:ESO)
今回紹介する宇宙画像は、チリのラ・シヤ天文台に設置されたデンマーク1.54m望遠鏡で撮影された、オリオン座の「火炎星雲(NGC 2024)」です。ESO(ヨーロッパ南天天文台)が2009年12月3日に公開したこの画像は、可視光の3つのフィルターで取得したデータを合成し、自然な色合いを再現しています。

「火炎星雲」という名前の通り、まるで宇宙空間で炎が揺らめいているかのような姿をしています。この赤い輝きの正体は、周囲の星から放たれた紫外線によって電離した水素ガスが発する光です(※)。また、画像の中央を二股に分かれて横切っているのは「暗黒帯(ダストレーン/ダークレーン)」と呼ばれるガスと塵の濃い雲で、背後の光を遮ることでこの特徴的なシルエットを生み出しています。
※…人間の目は暗所での赤い光に弱いため、肉眼で直接この鮮やかな赤色を見ることはできません
この暗黒帯の奥には、火炎星雲全体を輝かせている巨大なエネルギー源が存在します。厚い塵に阻まれているため、可視光で撮影された今回の画像でその姿を直接確認することはできません。しかし、塵を見通せる赤外線観測によって、その正体が「IRS 2b」と呼ばれる若く大質量の星であることが突き止められました。この星こそが、星雲を赤く染め上げる強烈な紫外線の主な供給源なのです。
さらに、火炎星雲の内部には「IRS 2b」を含め、約800個の若い星からなる星団が塵に埋もれています。中心部の星はわずか約20万歳、外縁部でも約150万歳と推定されており、約46億歳の太陽と比べればまさに生まれたばかりの赤ん坊のような星たちです。
編集/sorae編集部
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参考文献
- ESO - A cosmic flame
- Bik et al. 2003, A&A, 404, 249「Identification of the ionizing source of NGC 2024」
- NASA - Inside the Flame Nebula










